ふるさと納税の返礼品に「人間国宝の450万円の作品」が 寄付する側の年収は1億円超え
450万円の湯沸かしもラインナップに
ちなみに人間国宝の作品をふるさと納税の返礼品としているのは北区だけではない。佐賀県有田町では有田焼の有名陶芸家の作品、沖縄県読谷村(よみたんそん)では地元の作家の紅型(びんがた)染めを返礼品にしている。
ふるさと納税には、地場産品基準というのがあり、たとえば形のない「電気」でも地元で発電されたものなら返礼品に指定しても構わない。人間国宝の作品も当該の自治体で作っていれば、返礼品にできる。というわけで、北区は奥山氏の作品で流出超過を少しでも食い止めようともくろんでいる。
「60万~100万円の作品に申し込みがあったので、今年からは、奥山さんが作った銀製の湯沸かし(寄付額450万円)と、急須(同300万円)も返礼品に加えました。申し込みが殺到しては困るので、JR東日本系のふるさと納税サイトにだけ載せてあります」(同)
450万円の控除上限額は、ざっくり言って寄付する側の年収が1億円を超える計算になる。金持ちの懐を一点に狙う北区の作戦は、うまくいくのだろうか。
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