〈「共同親権」の落とし穴〉「15年以上も経ってから不倫相手が突然、子供を認知して“親権”の主張を…」 不倫カップルを襲った前代未聞のトラブルの顛末とは

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「酒乱」癖

「彼は子供が生まれるたび、『妻にバレるから』といって認知は一貫して拒否してきました。ただ子供が1人、2人と増えていくたびに、彼が私の家で過ごす時間は増えていき、4人目の子供が生まれた後は、週の大半を私の家で過ごすようになっていました」(明里さん)

 A氏との間に最初の子供を身籠もってすぐ、明里さんは銀座のクラブを辞め、以降はシングルマザーとして水商売以外の仕事に就いてきたという。A氏もこの間、明里さん側への経済的援助は欠かさなかったというが、ただ一つ、大きな問題が持ち上がる。

「交際期間が長くなるにつれ、彼の“酒乱”ぶりがひどくなっていったのです。何度も『お酒をやめて』と頼みましたが、しばらくの間は反省して断酒するものの、すぐにまたお酒を飲み始める――の繰り返しでした。最後のほうは酔って暴れたり、私に『死ね』などの罵声を浴びせたりと、子供たちもそんな彼の姿に怯えるようになり……。ついに堪えかねて、彼を家から追い出したのが2年前のことです」(明里さん)

 この時に不倫関係は「清算」したが、A氏からの希望で「子供たちと会う機会は時々つくっていた」という。しかし長男と長女はすでに父親を敬遠していたため、会うのはもっぱら下の息子2人だった。

「誘拐」事件として警察に相談

 そんななか、今年2月に事態は急変する。

「2月に入って、Aさんが突然、私が子供たちと暮らすマンションから歩いて10分程度のところに一人で引っ越してきたのです。彼と奥さんの関係は以前から『良くない』とは聞いていて、彼は『明里との関係は妻にバレていない』と言い張っていましたが、夫婦関係悪化の原因の一端が私や子供たちの存在だった可能性は否定できません。今回、奥さんとは別居する形で、“一人暮らしを始めた”と告げた彼は『やっぱり明里とヨリを戻したい』とも言ってきました」

 不倫解消から2年以上が経過し、明里さんにはすでに新しい交際者が現れていたこともあり、A氏からの「復縁」要請はきっぱりと断ったという。

「予想外だったのか、彼は拒否されたことが不満だったようで……。すると3月に下の息子2人が彼の家に遊びに行ったところ、そのまま戻ってこなくなってしまったのです。彼を問いただすと『子供たちが“ココにいたい”と言っている』の一点張りで、息子たちを返そうとしない。すぐに警察に『誘拐ではないか?』と相談したのですが、『民事案件なので、われわれは介入できない』と取り合ってもらえませんでした」(明里さん)

 そして4月に入り、さらに事態は新たな展開へ――。

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