「“呪ってやる”と怒鳴られることも」「70代の利用者も」 退職代行「モームリ」社長が語る流行の背景
「毎日2~3時間も会議室に閉じ込められ…」
この点、たしかに雇用者はしつこく手強い、と語るのは20代の元NHK職員だ。
「自分は、後輩が退職する際に会社から猛反対されているのを目の当たりにし、退職代行を利用しました。その後輩は勤務時間中、毎日2~3時間も会議室に閉じ込められ、上司から辞めないように説得されていたんです。彼のいる支局まで、担当の総務部長がわざわざ飛行機で説得しにやって来たこともありました」
52歳男性が土下座
このような説得行為は2カ月にも及んだという。
「結局、後輩は職員証を上司に投げつけて退職しました。新人が立て続けに辞めると管理職が能力を問われますから、自分の場合はもっと強く引き止められると思ったんです。それで、どうにかうまく辞められないかとネットで検索。代行サービスの存在を知り、利用させてもらいました」(同)
再び谷本氏に聞くと、
「なんとか退職しないように言いくるめてくる上司もいますし、絶対に認めないという上司もいます。事務系の仕事をしていたある男性は65歳で定年を迎えた後、パートとして働き続けていましたが、心身ともにきつくなって毎年のように退職を願い出ていたといいます。それでも辞められず、71歳の時に代行のご依頼をいただきました。建築関係の仕事をしていた52歳の男性は、退職の意思を3回も伝えたものの引き止められ、最後は“本当に辞めさせてくれ”と土下座までした。なのに社長が認めず、うちを頼ってこられたんです。どちらもうちが電話したら、退職が認められました」
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