「音楽が置き去りにされている感覚があった」 音楽プロデューサー「亀田誠治」を突き動かした“無料フェス”を主催する理由

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日比谷音楽祭は“ライフワーク”

「佐野さんは、1980年代にニューヨークで生活されていた時に、トップアーティストの集うセントラルパークのコンサートを見たことがあるそうなんです。“亀田さんは日本の公園でトップアーティストが集うコンサートをやっているんだ”と、佐野さんの方から声をかけて下さいました。初回から協賛をしてくれていて、今年はドリカムディスコ2024(DJ KING MASA=DREAMS COME TRUE 中村正人 / S+AKS-2)として出演してくださるDREAMS COME TRUEの中村正人さん(DJ KING MASA名義)にしても、アメリカで活動されている時にセントラルパークのフリーコンサートを見ていたことが参加していただける理由の一つになっているようですし、海外の音楽シーンに触れた方たちには、僕の目指す日比谷音楽祭のイメージが明確に伝わっているんじゃないかと思います」

 日比谷音楽祭の目玉企画が、さまざまな世代やジャンルのミュージシャン同士の共演が見られる「Hibiya Dream Session」だ。亀田氏自らがアーティストと話し合いながら選曲していくというステージは、その時々の社会情勢やゲストとのエピソード、世代を超えて届けたいメッセージなどを色濃く反映したものになっており、昨年はMr.Childrenの桜井和寿が、ミュージカル俳優・井上芳雄らによる、日比谷音楽祭から生まれたユニット“日比谷ブロードウェイ”に「雨が止んだら」を書き下ろしたことも話題を呼んだ。

「桜井さんから“日比谷ブロードウェイに歌ってもらいたい”と申し出があって、『雨が止んだら』が作られることになりました。一見すると、“雨が止んだ後に君に会える”という内容の優しいラブソングなんですけども、実はコロナ禍の社会情勢を反映しているところがあって、歌詞に出てくる傘が、コロナ禍の時期には手放せなかったマスクのメタファーになっているんです。そういったさまざまなアイデアを持ち寄りながら、幅広い世代やジャンルの皆さんと共演することは僕にとっても大切な時間です。本番は1年のうちたったの2日間しかありませんが、名実ともに僕のライフワークになっています」

 会場となる日比谷公園は、現在10年に及ぶ改修工事の真っ只中。期間内はステージやコンテンツの数を減らすことなく、音楽祭を実行していくことが当面の課題になるという。

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