「虎に翼」は早くも「ブギウギ」超え…新たに始まった“裁判官編”でさらに視聴率アップが見込める根拠
5月31日に放送されたNHKの朝ドラ「虎に翼」第45回の視聴率が、世帯18・0%、個人10・1%と、これまでの最高を更新。前作「ブギウギ」の最高視聴率、世帯17・3%、個人9・8%も上回った。「虎に翼」の魅力を業界人に聞いた。(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)
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6月から「虎に翼」は“裁判官編”に入った。まさに区切りの日に、最高視聴率を更新したわけだ。民放プロデューサーは言う。
「まずは個人視聴率10・1%というのが立派です。民放の連ドラでは、昨年ヒットした『VIVANT』(TBS)の最終回(世帯19・6%、個人12・9%)くらいでしか見かけたことのない数字です。今期の連ドラで視聴率トップの『アンチヒーロー』(TBS)だって、世帯視聴率で二桁がやっとですから。話題となった前作『ブギウギ』も超え、いかに『虎に翼』の評判がいいかがよく分かる数字です」
当初、日本初の女性弁護士の一人であり初の女性裁判官である三淵嘉子氏(1914~1984)をモデルにした「虎に翼」は、少々堅いドラマになると思われた。
「まず、女性たちが置かれた社会環境を変えようと戦うヒロイン(虎子)を描いていることが若い女性にウケたこと。そして虎子を伊藤沙莉(30)が演じたことで、堅いイメージが大きく変わりました。彼女の感じの良さ、毎日会いたくなる愛くるしさ、兄であるお笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介(34)と同じく飾らない親しみやすさが好調の要因のひとつです。演技力も9歳のデビュー時から身についています。11歳の時に生徒役で出演した『女王の教室』(日本テレビ)では、主演の天海祐希(56)から『あなたはカメラが自分に向いてないときでも必ずしっかりちゃんとお芝居している。その姿を必ず見ている人がいるから、手を抜いたり、気を抜いたりせず、ずっとそのままでいてね』と褒められたそうです」
11歳の伊藤を見抜いた天海も大したものだが、彼女もそれを守ってきた。
仲野太賀と息の合った夫婦役
「中学時代は仕事がなかった時期もあったようですが、脇役で出演を続けました。民放の連ドラで目立ったのは、日曜劇場『この世界の片隅に』(TBS・18年7月期)や菅田将暉(31)主演の『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ・22年1月期)、伊藤が主演した『シッコウ!!~犬と私と執行官~』(テレビ朝日・23年7月期)くらいで、あまり擦られておらず、新鮮なのも良かった」
これまで「虎に翼」の最高視聴率は、5月17日(第35回)の世帯17・6%だった。
「ちょうど虎子が優三(仲野太賀=31)との結婚を決めた時でした。伊藤と仲野は『拾われた男 LOST MAN FOUND』(NHK BSプレミアム)でも夫婦役を演じていましたが、2人とも自然な演技が素晴らしかった。その後、しばらく数字が落ちたのは、太平洋戦争に突入し、優三は戦病死、父親(岡部たかし=51)も病死し、虎子もせっかく実現した弁護士の道を断念するなど暗い空気が漂っていたせいかもしれません」
5月31日は、そんな虎子が日本国憲法の条文を新聞で読み、法曹の仕事に返り咲く決意を固めた回だった。
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