「どうしても損切りができないんですよ…」 金融市場を揺るがす逆神「岐阜暴威」の“意外な前職”と“FXで1000万勝った過去”
1000万円勝っていた時期も
専業トレーダーになる前、最後の仕事は警備員だったそう。詰め所で待機し、担当する工場や事務所でアラートが鳴ったら現場に駆け付ける「機械警備」と呼ばれる仕事を2015年から2022年9月まで、約7年間続けた。
「アラートが鳴って現場に急行したら、窓ガラスが全部割られてるとか、そんな経験もありましたね。その頃はFXが絶好調で、2022年の1月から8月まで、8か月連続のプラス収支で1000万円も勝ってたんです」
奇しくも同じ頃、副業禁止の警備会社で、自身のYouTubeチャンネルの存在がバレてしまう。
「同僚のおっちゃんに“昨日見たよ~”と声を掛けられてしまい、ヤバいと思いその後すぐに仕事を辞めました。1000万円勝っていたこともあって、専業でやっていける自信も出てきた頃だった。でも、仕事を辞めた後の2か月で、今度は1000万円負けちゃったんですよ」(岐阜氏)
仕事を辞めた月にFXのドル円のトレードで300万円の損切りをすることになり、翌月の10月に今度はポンド円のトレードで700万円を失った。専業トレーダーとしては幸先の悪すぎるスタートだった。
「定期収入を絶たれ、絶対に負けちゃいけないという気持ちが裏目に出ました。FXはここまで含み損が増えたら必ず損切りするといったルールを設けないといくらでも負けてしまうのですが、お金を失いたくなさすぎて、そのルールを守ることができなかった」(岐阜氏)
テスタ氏から受けたアドバイスとは
今ではFXをはじめ、日経平均先物や金や原油といった商品先物など、トレードする商品は多岐にわたるが、これまでに入金した総額は、なんと4600万円にものぼるそう。手元に残っているのが1800万円とのことなので、現時点での生涯収支は「マイナス2800万円」ということになる。
「ちょこちょこ利確してはドカンと損切りを喰らってしまう、“コツコツドカン”の悪癖がなかなか克服できずにいます。ポジションを取る時にはちゃんと、そのラインを超えたら自動的に損切りされる“逆指値”を設定しておくんですが、実際にそのラインに近づくと“い……、いったん様子を見よう”と逆指値を解除してしまう。結果的に、含み損をさらに拡大させてしまうんです。とにかく損切りが苦手で、例えば30万の含み損を切るとなると、一人暮らしの頃なら“家賃5か月分なんか切れるわけねぇだろ”っていう気持ちになる。今は実家で母と暮らしていますが、同じように“これ毎月実家に入れてるカネの何か月分や”と思いとどまってしまいます」(岐阜氏)
岐阜さんはある時、同じく有名投資インフルエンサーのテスタ氏と会話する機会があり、損切りについてこうアドバイスされたそうだ。
“損切りは必要経費。利益を生み出すための経費として受け入れてればいいんです”(テスタ氏の岐阜氏へのアドバイス)
「テスタさんに歯向かうつもりはないですけど、どうしても納得できない部分があった。生涯収支がプラスの人は経費と割り切れるかも知れないですけど、負け組トレーダーはとにかく金を取り返したい。損切りは“捲り”を遠ざける行動ですから、なかなかそう簡単には割り切れないんですよ」(岐阜氏)
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後編では、気になる2024年の収支や、YouTuberとして稼ぐ年収など、岐阜暴威のお金事情に迫るとともに、“逆神”と呼ばれることについての心情や、今後の目標について語ってもらった。
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