久保建英が五輪に出る可能性は3%? 「そこまでして五輪に出たいサッカー選手はいない」

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「招集できないという結論に至っている」

 日本サッカー協会の山本昌邦ナショナルチームダイレクターは、パリ五輪のサッカー男子代表入りが期待される久保建英(23)について会見でこのように語った。

「五輪に出るには所属クラブの承認が必要ですが、久保が所属するソシエダが首を縦に振ってくれなかった」

 とスポーツ紙記者。ならば、久保出場の可能性はゼロかというと、実はそうではない。込み入った話になるが、順に説明してもらおう。

「まず、久保はこのオフに移籍する可能性が高い。契約上も年齢的にも今が一番の売り時なんです」

五輪出場は移籍市場で“訳アリ物件”に

 事実、久保の移籍候補としてプレミアリーグの強豪アーセナルなどの名が取り沙汰されている。しかし、

「パリ五輪に出たら移籍先への合流が1カ月遅れる。けがのリスクもある。つまり“五輪出場”は今オフの移籍市場で“訳アリ物件”扱いされてしまうんです。そうなると移籍金を値切られるので、久保を少しでも高く売りたいソシエダは絶対に認めたくないわけ」

 五輪で活躍すれば選手の価値が上がり、ひいては所属クラブに利益をもたらすのでは?

「それは五輪後の話。今回の久保は五輪前に売りに出されるので、所属クラブにメリットはない。移籍先にとっても、すぐには彼を転売しないでしょうからデメリットの方が大きい」

「そこまでして五輪に出たいサッカー選手はいない」

 久保本人は、4位に終わった東京五輪のリベンジに燃えているはずだが?

「理論上、移籍先との契約時に『五輪出場を認める』との条項を入れさせることは可能です。でも、これを嫌がるクラブとは縁がなくなるわけで、自身の未来の選択肢を狭めることになる。万が一買い手がつかず残留となれば、ソシエダの心証も悪くなります。出身国での開催ならともかく、そこまでして五輪に出たいサッカー選手はいませんね」

 ではズバリ、久保が五輪に出場できるケースとは?

「五輪前、早々に移籍が決まり、移籍先が『即戦力ではないから』と出場を容認する場合。ただ、今の彼はもはや転売用のコマではなく、たとえアーセナルでも戦力として扱われるはずで、可能性は極めて低い。あとは、移籍先が名門パリ・サン=ジェルマンの場合。『地元を盛り上げて』と後押ししてくれるかも」

 記者の見立てでは可能性は3%。やっぱり諦めるか。

週刊新潮 2024年6月6日号掲載

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