500本以上の作品を手がけた「B級映画の帝王」ロジャー・コーマンさん 「映画に一番大切なのは“脚本”」という信念

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エンジニアから映画製作へ

 26年、ミシガン州デトロイト生まれ。もともとはエンジニアだが、自作脚本を売って資金を作り独自に映画製作を始めた。若者を起用し人件費を削減。受けるとすぐに類似作を作り、セットや衣装を使い回す。

「商才もある。ドライブインシアターでカップルが観ると想定。車内だからホラー作品で叫ぼうがいちゃつこうが大丈夫。退屈させず後腐れもない娯楽でデートに最適です」(垣井さん)

ありきりたりの題材もより面白く

 ありきたりの題材に変化をつけるのもうまい。人をひき殺すとポイントが加算されるカーレースなど不謹慎でも笑わせる。「ジョーズ」の人気に便乗した「ピラニア」はプールや川が舞台で設定は安っぽいが、観客の予想通りに人々が襲われて大いに沸かせた。

 映画配給も行い、黒澤明監督によるソ連映画「デルス・ウザーラ」をアメリカに紹介、同作はアカデミー賞外国語映画賞を受賞した。

「配給にも目が利いていた。自身が作る映画のタイプとは異なる配給作品が多かった」(垣井さん)

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