「日本で一番すごい人だった」 盟友・岸博幸が明かす、中尾彬さんの知的で豪快な素顔

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 俳優の中尾彬さんが心不全のため5月16日に81歳で亡くなった。武蔵野美大出身で絵画や料理も得意とする多芸多才な人物として知られたが、他にテレビコメンテーターとしても存在感を示した。情報番組「グッド!モーニング」(テレビ朝日系)の盟友、元内閣官房参与で慶大大学院教授の岸博幸氏(61)に話を聞いた。

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 岸氏は2013年から約8年間、同番組の毎週火曜日のコメンテーターとして中尾さんと並んで出演を続けた、いわば盟友である。そんな岸氏によれば、

「僕は大勢の著名人と接する機会に恵まれてきましたが、その中でも中尾さんを最も尊敬していました。日本で一番すごい人だったと思っています」

「知性に溢れていた」

 そのすごさの一つ目は、

「知性に溢れていたところです。単に知識の量が多いというだけではなくて、ご自身のスタイルと価値観を持った上でお話をしていらっしゃった。それはカメラが回っていようが、いまいが同じでした」

 例えば、中尾さんは美食家として有名だったが、

「おすし屋さん一つとっても銀座にあるような流行の店ではなくて、メニューは少ないけれど漬けマグロなどがおいしい、下町にある江戸前の老舗を教えてくださる。他にも、お弁当屋さん『弁松』やコンビーフが絶品の千駄木のお肉屋さん『腰塚ハム』など、たくさんの素晴らしい店を教えてくださいました。もちろん食にかぎらず、さまざまな文化芸術についての定見をお持ちだったのです」

 二つ目のすごさは、

「やっぱりカッコいいところ。普段、私服で番組に出ていましたが、おしゃれなんですよ。上野動物園でパンダが産まれた時にはパンダのワッペンを付けて来られるなど、細かな部分にまで気を使っていたのがさすがでした。年を取ってもおしゃれすると張り合いが出るんだな、と勉強になりました」

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