映画「ミッシング」監督が明かす「石原さとみ」の“逆指名”
ボルテージが高い
脚本を読んだ石原が断るはずもない。私生活では2020年に結婚、そして22年に出産と、ビッグイベントを経た後に、満を持してのクランクインだった。
いざ撮影現場では、
「苦労しましたけど、一緒に作っている感覚があってとても楽しかった。石原さんに本気で役に入ってもらうために、小道具ひとつとっても偽物は置けない感じでした。あと、脚本を書いていたときに想像していたよりも激しい演技をしていて、初めは“ちょっと違うな”と思っていた」
そこで思い出されるのは、監督を逆指名するほどの気の強さだ。
「でも、それが彼女の素だし、その演技が奏功していい作品ができました」
休憩中にはこんな一幕も。
「娘役の女の子が元気で、現場で走り回っていました。その子が道路の方に向かったときの、石原さんの止め方がすごかった。目を血走らせて“危ない!”と叫ぶみたいな。普通の人よりボルテージが高いんですね」
彼女の“代表作”が撮れたと自負する監督いわく、
「石原さんとはまた10年後にやってみたいですね。先日、彼女と、将来メリル・ストリープのようになってたら面白いねって話したんです。『プラダを着た悪魔』で若手をいびる編集長みたいに、不本意ながら若い子に中心を奪われてしまうキャラクターとか、いいと思います」
※吉田恵輔監督の「吉」は「土」の下に「口」が正式表記