映画「ミッシング」監督が明かす「石原さとみ」の“逆指名”
5月17日から公開中の映画「ミッシング」。失踪した娘を捜しつつ、心無い報道やSNSの誹謗中傷に苦しむ母親役を演じるのは、自身も1児の母である石原さとみ(37)だ。彼女が出演に至るまでには映画さながらのドラマが。吉田恵輔監督(49)が舞台裏を明かす。
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「石原さんとの出会いは7年くらい前。俺の映画を観た石原さんが、俺の作品に出たいと考えたみたいで、共通の知人から“会いたいって言っている”と連絡があったんです」
そう振り返る吉田監督。実はそれほど興味がなかったが、勢いに押されるがまま、会ってみることに。
「その日、俺は昼から飲んでいて、初対面のときには完全に仕上がってる状態でした。そこで石原さんから“私を変えてほしいんです”“壊してください”と言われたんです」
「芸能人のオーラが強烈な彼女の崩し方が分からなくて断った」
当時の心境を石原は、〈どこかで私自身が自分に飽きてしまっている感じがしていました〉と述べている。が、監督は冷静だった。
「石原さんは華がありすぎて浮世離れしているように見える。俺はそういう役者さんが合うような映画は撮りません。それに、芸能人のオーラが強烈な彼女の崩し方も分かりませんから、“脚本のイメージが湧かない”と断りました」
時は流れ、事態が動いたのはコロナ禍のこと。監督が新たに書き上げた脚本のキャストを考えたときに思い出したのが、かつて“壊してください”と熱く語った石原だった。
「自分に合う役者さんを連れてくると監督の仕事は“カット”“オッケー”と言うだけ。いいものはできるけどつまらない。そんなやり方を壊そうとギャンブルをしてみたくなりました。誰も見たことのない石原さとみを作って成功するか、壊せずに大失敗するか」
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