新外国人「ヘルナンデス」が巨人打線の起爆剤に…日本とつながりの深いメジャーリーガーを思い出した【柴田勲のコラム】

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新風が巻き起こった

 巨人が首位に立った。2日の西武戦に快勝し、5月15日以来の返り咲きとなった。今季最多タイの14安打で7得点、貧打、貧打と言われたのがウソのようだ。

 先発した菅野智之は7回を無失点だったし打線の援護で相手を突き放す。こんな戦い方を待っていた。交流戦が5月28日から始まったが、ソフトバンク、西武にそれぞれ2勝1敗と勝ち越した。いいスタートを切った。

 新外国人選手、エリエ・ヘルナンデス外野手、29歳(※)がチームの雰囲気をガラリと変えてくれた。貧打の巨人に新風を巻き起こしたと言っていい。

 5月30日のソフトバンク第3戦、5点を追った3回1死後に丸佳浩のタイムリーで1点を返した。なお、一、二塁。ヘルナンデスが左翼席中段へ1号3ランを運んだ。4番の岡本和真も2ランを放って一気に逆転した。

 今季の巨人打線は2点を奪うのがやっとのことで貧打が続いていた。ヘルナンデスの一発はその重苦しさを振り払った。

伸び伸びとプレー

 打てない。点が取れない。タイムリーが出ない。開幕から阿部慎之助監督はバントを多用し、盗塁で突破口を開こうとした。1死一、三塁からのセーフティースクイズを敢行しては失敗を重ねた。

 勝負所で打者にプレッシャーをかける作戦・用兵が結構あった。一言で言えば苦しみながら戦ってきた。打者は振りが鈍く、萎縮している印象が強かった。

 巨人の試合、とにかくイライラした。だが、新外国人のヘルナンデスはそんな事情を知らない。無関係だ。スタメンで起用されると伸び伸びとプレーした。

 28日、デビューとなったソフトバンク戦で初安打をマークすると、翌29日もしっかり安打を放った。そして30日には殊勲の本塁打だ。

 6戦連続でスタメン出場し、ヒットを放ち続けている。2日は猛打賞をマークした。フォローがそれほど大きくないから遠くへ飛ばすタイプではない。でも、スイングがコンパクトで確実性がある。

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