藤浪晋太郎(30)日本人因縁の故障で「肩はヤバすぎる…」とライバル代理人も悲痛な声 “予感的中”で「引退説」に現実味、阪神復帰のたったひとつの道とは
渡米早々に故障のジンクス
加えて、昨季からの「ピッチクロック」の導入で、投球間隔が制限されたことによる負担増の指摘も聞かれる。大谷は今季の開幕直後に「どの程度、けがに影響しているという確証はない」と言いつつも、「短い時間で多くの仕事量をこなすため、負担は間違いなくかかっているとは思う」と証言している。大リーグ選手会は投手の健康に悪影響を与えるとし、ピッチクロックを問題視する。
千賀滉大投手(メッツ)は1年目の昨季に29試合に登板し、166回1/3を投げて12勝7敗とエース級の活躍を見せたものの、今季は右肩故障のため、ここまで1試合も登板できていない。藤浪も渡米2年目のシーズン早々に離脱した。日本投手が渡米後、早期に肩、肘を故障する“ジンクス”は今もなお、生きているようだ。
各投手に共通する故障の背景に加え、藤浪にはリリーフ転向という個別要素が加わる。以前、藤浪は阪神時代にリリーフ登板した経験を踏まえ、終盤にチームの勝敗を背負うプレッシャーから自身のリミッターが外れ、故障につながりかねないリスクを口にしている。
「数年で壊れてしまうんじゃないかって。腕が振れすぎちゃってるというか、怖いところまでいっている。何試合も続けると、いつかは(故障するのではないか)と……」
肩は故障で最悪の部位
昨年7月にアスレチックスからトレード移籍したオリオールズでは、メジャーの日本投手で最速記録を更新する102.6マイル(約165.1キロ)を計測した。メジャーで最もハイレベルと言われるア・リーグ東地区で、終盤の熾烈な優勝争いで登板を続けた反動は大きかったのか。藤浪の不安は不幸にも、1シーズンを待たずして的中した形になった。しかも肘ではなく、肩という投手にとっては最悪の部位である。
肘の靱帯損傷であれば、痛めた靱帯を切除し、手首など他の部位から健康な腱を移植するトミー・ジョン手術を受け、逆に球速がアップするなどの例も報告されている。アマチュア選手にも症例は多く、米大手マネジメント会社の代理人によれば、契約時にも大きなマイナス要素にはならない。しかし、肩は全く違うという。
「肩はヤバいですよ。肘に比べて関節が複雑で、これまでも肩を痛めて完全復活できたピッチャーは非常に少ないんです。痛みが治まっても、再発のリスクは高いとされています。当然、契約交渉時にもマイナスに評価されてしまいます。藤浪も、ある程度元に戻ったとしても、実戦でよほど元気なところを見せない限り、日米問わず獲得に躊躇する球団がほとんどではないでしょうか。温情で最後に阪神が面倒をみることはあるかもしれませんが、このままメジャーや1軍のマウンドに立てない恐れさえあると思っています」
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