低栄養への落とし穴…「おばけタンパク」とは? 認知症予防に「豚汁」が役立つ理由

ドクター新潮 ライフ

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中高年の食事で何より大切なのは…

 発酵食品と野菜の食物繊維が大事なのは分かったけれど、豚汁のメインである豚肉はどう認知症予防に寄与するのか。そんな疑問を覚えた人は、もう一度、この記事を読み直していただければと思います。中高年の食事にとって何よりも大切なのは……。

 そう、食欲をそそられ、おいしく食べることです。「鶏汁」でも「牛汁」でもなく、豚汁だからこそ、あの独特の味わいが得られる。だから食べたくなる。

 個別の栄養素ばかりを気にし過ぎるあまり、我慢しておいしく感じられない食事をし続ける――。管理栄養士として、そんな味気ない人生だけは過ごしてほしくありません。それは本来の食事ではなく、健康的に生きる気力を奪ってしまうことにつながり、結局は最も「不健康」だからです。

川口美喜子(かわぐちみきこ)
札幌保健医療大学大学院教授。医学博士、管理栄養士。専門は病態栄養学、がん病態栄養、スポーツ栄養。島根大学医学部附属病院の栄養治療室に勤務後、在宅訪問栄養指導や地域での栄養ケアに携わる。『老後と介護を劇的に変える食事術』『認知症を予防する食事』等の著書があり、今年1月『低栄養を解決する長生き食べ方 100年栄養』を上梓した。

週刊新潮 2024年5月30日号掲載

特別読物「『筋肉の源』摂取のはずが…『低栄養』への落とし穴 怖すぎる『おばけタンパク』とは!?」より

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