「中国株には投資しないの?」と問われた“投資の神様”バフェット氏の答えは 証券アナリストが現地で見たバークシャー「4万人株主総会」の注目ポイント

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スタンディングオベーションで迎えられたバフェット氏

 総会のプログラムはいつも、8時45分ちょうどに上映される、株主総会のためだけに作られた30分の動画から始まります。演台の前に設置されたVIP席にゲストが集まるのですが、有名な人物で言うと、バフェットさんの友人であるマイクロソフトのビル・ゲイツさんや、アップルCEOのティム・クックさんの姿がありました。

 実はこの日、バークシャーは同社の最大保有銘柄であるアップルの株を13%も売却したと発表しました。

 この発表を受けて、クックさんはさぞかし嫌な思いをしたのだろうな、と思いきや、後で聞いたところによると、ちゃんと事前に説明を受けていたようです。

 バフェットさんは前日の夜、クックさんと会食をしており、その場でアップル株を一部売却したことを説明したそうです。アップル株の価値が上昇したことで、バークシャーの保有上場銘柄の価値の半分をアップル株が占めていました。そのリスク管理の観点から、一部を売却することになったのだと思われます。

 またバフェットさんは、株の一部売却後も「アップルは素晴らしいビジネスであり、2024年末時点でも同社の株はバークシャーにとって最多保有株である可能性が極めて高い」とコメントすることを忘れませんでした。

 9時15分になると、総会のステージにバフェットさんが登壇します。すると、会場の株主達はスタンディングオベーションでバフェットさんを迎え入れます。CEOに対して敬意を表するため皆が立ち上がるのですが、日本の株主総会では考えられない光景です。

質問は事前チェックなし!

 総会では、バフェットさんが会場にいる株主の質問に答えていくのですが、オンラインから届く質問にもしっかりと対応しながら進行していきます。

 ちなみに質問の内容については、事前に会社側によるチェックは行われず、バフェットさんも事前に内容を知らされていません。当日に質問を希望する株主は、8時過ぎに会場に設置されたブースに集まり、抽選に参加します。

 実は、私は昨年この抽選に当たり、バフェットさんに直接質問するという栄誉を得ることができました。その際も、確かに事前に質問のチェックはありませんでした。当選した人には、自分が質問するだいたいの時刻が知らされます。あとは順番がくるまで、ブースにあるマイクの前に立ち、バフェットさんから呼ばれるのを待つだけです。

 今年も質問をしようと抽選に参加しましたが、残念ながら2年連続の当選とはなりませんでした。

 総会で出た質問に耳を傾けていると、やはり「後継者問題」は株主たちの大きな関心事であることが分かります。バフェットさんに何かがあった場合に、同社がこれまで成し遂げてきた成功を維持できるのか、といった見通しを探りたいのです。

 バークシャーの日常的な業務は既に、2018年に同社の副会長に就任したグレッグ・エイベルさんとアジット・ジェインさんが行っていると言われています。

 そうした点も踏まえ、バフェットさんは

「自身に何かが起きたとしても、会社の経営には問題がない」

 と強調しつつ、後継者に関するほとんどの質問に対しては、

「時が来れば会社の幹部と取締役会が詳細を決定する」

 と答えていました。

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