「恭サマに嫉妬していた」「次があるかは舘さん次第」 舘ひろし×柴田恭兵 「帰ってきた あぶない刑事」を語りつくす
令和になっても「タカ」と「ユージ」はやっぱり駆け回って、銃をバンバン撃ちまくるのである。8年ぶりにスクリーンに戻ってきた二人に、「あぶない刑事」が始まってからの38年間の秘話と、今回の映画の舞台裏、そして、次なる“野望”を明かしてもらった。
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――5月24日、映画「帰ってきた あぶない刑事」が封切りとなりました。おなじみ「タカ(鷹山敏樹)」と「ユージ(大下勇次)」を演じたお二人にまず伺いたいのは、今作の見どころです。
柴田 それはやっぱり舘さん(タカ役)のダンディーなところです。実は40代のころ、“70歳を過ぎてからも「あぶない刑事」を撮りましょうよ”って舘さんと話したことがあるんです。舘さんならずっとダンディー鷹山を演じられると思っていたし、僕もプライベートで草野球をやっていたから、そこそこ動ける自信はありました。それで、実際に映画を撮ってみたら、舘さんの魅力は相変わらず。そして僕の「年相応」のアクションや走りを見てもらえる作品に仕上がった。
それと僕は映画を通じて同世代の人たちに面白いものを発信したいと思っていました。だから、ユージを演じることで、自分が元気なこと、そして“皆さんも頑張ろうよ”というメッセージが伝えられたとの思いがあります。
舘 僕からも70歳になってもなお元気なユージを見てもらいたいですね。今回は、今まで「あぶない刑事」に関わったことがない監督がメガホンを取っている。カメラマンや照明さんたちも若い。だから映像的にはすごく今っぽい。いわば現代版の「あぶない刑事」が出来上がっているので、そこを注目していただきたいと思います。
「今の時代の新しい撮り方も面白い」
舘 ちなみに今回の原廣利監督の親父さんのことも知っています。原隆仁さん。僕が30歳の時に主演した映画「薔薇の標的」(1980年)の助監督をやっていたんですよ。それから「西部警察」や「あぶない刑事」を撮った人。でも撮り方は違う。
息子さんは、今の時代の人ですから、同じ演技でもカメラのサイズを変えて何度も撮る。恭サマ(柴田)は、一発勝負のアドリブだったり、その場の雰囲気で演じることが多いので、2回目、3回目と同じ演技をするのは大変だったと思います(笑)。でも、後で映像を見てみると、新しい撮り方も面白いね。
――テレビシリーズが始まった時、刑事ドラマとしては型破りな展開や、二人のコミカルなやり取りが話題になりました。でも最初は、柴田さんのアドリブやおどけたような演技に、舘さんは違和感を覚えて、話し合いをすることもあったと聞きました。
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