「サマソニ」第7弾出演者枠にNumber_iが発表されたワケ 旧ジャニーズ、K-POP…アイドル激増で往年ファン敬遠の恐れ
ファンダムの大量購入を懸念
ただ、悩みもあるという。先に述べたようにアイドル路線に舵を切り過ぎると洋楽ロックファンの敬遠や離反を招きかねないからだ。Number_iの出演が第7弾追加アーティストという遅い段階でようやく発表されたのも主催側のギリギリの判断があったからという。
昨年の「サマソニ」を現地取材した音楽ライターがこう話す。
「あまりに早い段階で人気アイドルの出演を発表してしまうと、そのファンダムによりチケットが大量に購入されてしまいます。旧ジャニーズ系の7人組WEST.が第6弾追加アーティストとして今月半ばになってやっと出演が発表されたのも同様の流れです。7月から3大ドームツアーを開催するほどの人気グループですから、サマソニでもチケットの大量買いは必至。それを防ぐためにアイドルグループの発表を可能な限り遅らせ、まずは先に往年のサマソニファンにチケットを確保してもらう、これが狙いです」
通常のコンサートツアーとは異なり、サマソニはあくまでもフェス。そのあたりの位置付けをNumber_iのメンバーもよく理解しているという。
前出の音楽ライターがフェス特有の雰囲気をこう話す。
「Number_iにとってコーチェラのステージは完全にアウェー。アメリカではまったく無名の自分たちがどこまで観客の心をつかむことができるか、大きなチャレンジでした。激しいラップ曲『GOAT』ではアジアのスーパースターであるジャクソン・ワンという助っ人の力を借りはしましたが、海外での初ステージをやり切ったメンバーの表情は輝いていましたよ」
続けて、「その文脈から言うとコーチェラ同様、アウェー感が強い『サマソニ』ではNumber_iの実力がさらに問われることになります。ファンダムや音楽ジャンルの好き嫌いが激しい観客の中に飛び込むことによって、生のステージングの経験が積めるし成長できるよい機会。和のテイストが入った新曲『BON』のYouTube公式動画は公開2日で1000万回を超す大反響ですから年配の洋楽ファンも彼らのステージには関心を寄せるのではないでしょうか」と期待する。
猛暑のマリンスタジアム
Number_iの出演会場は「マリンステージ」と呼ばれるZOZOマリンスタジアムで収容観客数は3万人。昨年8月19日にNewJeansが正午からパフォーマンスを披露したところ、太陽直撃の猛烈な暑さのためステージ前に詰めかけた100人ほどの観客がバタバタと倒れるハプニングが。今年はMANESKIN、星野源、ONEREPUBLIC、NCT DREAMらが登場し再び熱いステージを繰り広げる。
「タイムテーブルは8月に入ってから発表されますが、Number_iが昼までに出演する可能性は高いと見ています。そうなれば大勢のファンが早い時間帯から会場に詰めかけるでしょう。終演後、時間が余ったNumber_iのファンが他の洋楽アーティストのステージも精力的に回りサマソニ全体に関心を持ってくれることを主催者側は願っているはず。ただし、昼間のマリンスタジアムは猛暑が予想されます。アーティストの体力も奪いますしファンにとっても地獄。特に女性ファンは日焼け止めや水分補給などの暑さ対策に万全を期してほしいですね」(前出の音楽ライター)
強烈なアウェー感に猛暑。Number_iは試練を乗り越えることができるか――。
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