交流戦で大騒動! ガッツポーズで“乱闘騒ぎ” 岡田監督は“暴力行為”で人生初退場、球審もブチ切れた
鬼の形相でベンチを飛び出した岡田監督
阪神・岡田彰布監督が野球人生初の退場となったのが、2007年6月8日のオリックス戦である。
事件が起きたのは、1点を追う阪神の8回攻撃中だった。無死一塁で、鳥谷敬が送りバントを試みたが、一塁方向への小飛球になった。捕手・日高剛が打球を追ったが、打席内で打球を見上げていた鳥谷の左足に接触し、捕球できなかった。
直後、谷博球審が守備妨害で鳥谷にアウトを宣告すると、岡田監督が鬼の形相でベンチを飛び出し、「バッターボックス内なのに、ダメなのか?」と激しく抗議。自ら打席に入り、吉竹春樹コーチに捕手役を務めさせて問題のシーンを再現する大熱演もあり、試合は16分中断した。
だが、同じ問答の繰り返しに業を煮やした谷球審が「お前、何でわからんのや!」と声を荒げると、ぶち切れた岡田監督は両手で谷球審の体を突き、暴力行為で退場を宣告された。16年間の現役生活も含めて監督4年目で初めて味わう屈辱だった。
退場後も岡田監督は「後ろの打球やで。誰が見ても、どっちがぶつかっていったか、わかるやろ。あれが守備妨害やったら、盗塁したときも(捕手が)打者の足を踏んで投げたら全部守備妨害や」と興奮が収まらない様子だった。
一方、谷球審は「接触がなければ捕れたという判断で、アウトを宣告した。岡田監督からは“なぜバッターボックス内なのにダメなんだ”と抗議を受けたが、こればっかりは仕方ない。バッターは悪くなかったが、不利益を被った守備側を救済した。あの場面では、鳥谷選手は避けるしかない。故意じゃないとは認めるけど、妨害に値するんです」と説明した。
そして、この指揮官の体を張った退場劇が虎戦士たちを奮起させる。9回に林威助の二塁打などで1死満塁のチャンスをつくると、藤本敦士の押し出し四球で同点に追いついたあと、「監督があれだけ必死に抗議してくれたので、絶対に落とせない試合だと思った」という鳥谷が背中に死球を受け、逆転サヨナラ勝ち。
自らのミスで監督退場劇を誘発したことが回りまわって、最後にサヨナラ押し出し死球の珍事でヒーローとなった鳥谷は、「ここに立つのはちょっと恥ずかしいです」と照れることしきりだった。