「よろしく進めてくださいね」 美智子さまが皇位継承議論で異例の“お声がけ”の理由とは

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「よろしく進めてくださいね」

 長らく懸案であった「安定的な皇位継承」のあり方を巡る協議が、ようやく緒についた。今後は、衆参両院議長のもと各党代表による議論が加速するとみられるが、その裏では、延々と待たされてきた当の皇室から、上皇后さまが“ご心中”を密かに発せられていたという。【前後編の後編】

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 前任と打って変わって額賀福志郎衆院議長が“前のめり”になっているのは、上皇后さまからの「重いお言葉」があったからだというのだ。

 さる宮内庁関係者が明かす。

「額賀議長は就任後、上皇ご夫妻に謁見する機会があり、その際に上皇后さまから『(皇位継承に関する議論を)よろしく進めてくださいね』というご趣旨のお声がけを賜っているのです」

 もとより立法府の長として議論の迅速化を図っていたところ、そのご対象の方より奮起を促されたのだから勇躍、心血を注ぐしかあるまい。この関係者が続けて、

「上皇后さまがこうしたお気持ちを吐露なさるのも無理はありません。何しろ皇室は、かれこれ18年にわたって“足止め”を余儀なくされていたのです」

「上皇さまの強いお気持ちのもと…」

 小泉純一郎政権下の2004年末、将来的な皇族数の減少に備え、「皇室典範に関する有識者会議」が設置された。その後、

「翌秋には『女性・女系(母系)天皇を認める』『皇位継承順位は男女を問わず第1子を優先』という内容の報告書が作成されました。当時の皇室では若い世代の皇族方はいずれも女性で、“男系維持”は風前のともしびだった。反対の声もありながら皇統断絶だけは何としても避けねばならず、ぎりぎりの選択だったわけです」(同)

 06年1月には小泉首相から有識者会議のメンバーらに「(同年)3月には皇室典範改正に関する法案を出す」との方針が示されたという。が、それも2月に突如、紀子妃のご懐妊が判明したことで雲散霧消してしまう。

 続いて民主党政権下の11年秋、当時の羽毛田信吾・宮内庁長官が“喫緊の課題”として野田佳彦首相と直談判に及び、翌年10月には政府が「女性宮家創設を検討すべきだ」との論点整理を発表。これはそもそも、長らく皇室の先細りを危惧されてきた上皇ご夫妻のご意思に他ならなかった。実際に、

「上皇さまの強いお気持ちのもと、皇室内ではすでに『範囲は内親王までとする』とのコンセンサスが得られていました。ご対象は愛子さま、眞子さん、そして佳子さまのお三方だったのですが、それも12年末に政権交代を迎えたことで一変します。新たに就任した安倍晋三首相はこの構想を『白紙にする』と明言し、女性宮家創設の気運は完全にそがれてしまったのです」(同)

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