【ゴルフ】マスターズ覇者のカブレラ復活へ 刑務所に収監中、50歳を超えてパパに

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アメリカ入国のビザを取得

 カブレラの米国入国ビザは今年1月で期限切れとなっており、4月までに再取得できるかどうかが注目されていた。

 残念ながら、今年のマスターズまでにはビザは発給されなかった。というのも、在アルゼンチン米国大使館がカブレラの心理状態を調べるテストを何度も行なっていたとのことで、そのためビザ発給までに長い時間がかかったと米ゴルフウィークは報じている。

 しかし、5月中旬になって、彼の長年のコーチであり親友でもあり世話人でもあるチャーリー・エップス氏が、米国入国のためのビザが晴れて発給されたことを明かした。

 エップス氏によると、カブレラは近いうちに米テキサス州ヒューストンへ移り、そこに居住しながら米国永住権を申請するつもりだという。

 エップス氏は「アンヘルは成長し、すっかり大人になっている」と太鼓判を押している。そして、カブレラが拠点を米国に移した上で米ゴルフ界に復帰し、戦い抜く覚悟を決めた理由は、彼が服役中に父親になり、愛する家族を持ったからにほかならないという。

もっといい人間に…

 昨夏、刑務所から出所したカブレラは、米ゴルフダイジェスト誌のインタビューに応え、驚きの事実を明かした。

 通算30カ月に及んだ刑務所生活の終盤、模範囚となったカブレラは「15日ごとに塀の外へ出て、パートナーと過ごすことができる2時間の自由時間をもらっていた」。そして彼は、その自由時間を逮捕前から交際していた女性と過ごし、彼女は22年11月に男の子を出産。

「新たに授かった息子のために、私はもっと強くならなければいけない。もっといい人間になろうと心底思った。息子が生まれ、息子がこの世に存在してくれていることが、私に力を与えてくれた」

 そう感じたカブレラは、さらに精進して模範囚となったことで刑期が短縮され、息子が1歳のバースデーを迎える前に出所することができたのだそうだ。

 そして、息子とその母親という大切な家族のために、プロゴルファーとしてしっかり再出発したいと願っているという。服役中に定期的に外出が許可され、好きな人と自由に過ごせるという制度が彼の地にはあることを初めて知って驚かされたが、その制度のおかげでカブレラが服役中に父親になったことはさらなる驚きだった。

 だが、父親になった実感や自ずと芽生えた親としての責任感が、彼の生きる力となったことは素晴らしいと私は思う。

 プロゴルフ界への復帰を望んでいるカブレラが心を入れ替え、カムバックして再びチャンピオンに輝くことができたら、それを励みにして自分も奮起しようと思える人が増えるのではないだろうか。

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