【ゴルフ】マスターズ覇者のカブレラ復活へ 刑務所に収監中、50歳を超えてパパに
かつてメジャー大会で2勝を挙げたアンヘル・カブレラは、アルゼンチン出身の54歳。2021年からの約2年半を刑務所で過ごし、昨夏に出所した。そのカブレラが米ゴルフ界にカムバックすることが大きな話題になっている。【舩越園子/ゴルフジャーナリスト】
【写真】15日ごとに2時間塀の外に出て…50歳を超えてパパになったカブレラ
元パートナーへの恐喝・暴行で逮捕
米国のPGAツアーを主戦場としていたカブレラは、07年の全米オープンと09年のマスターズのメジャー2勝を含むPGAツアー通算3勝を挙げたトッププレーヤーだ。大柄な体格を生かしたパワフルなゴルフを披露し、PGAツアーでは高い人気を誇っていた。
しかし、パートナーだった女性に恐喝や暴行等を行なったとして、21年1月に滞在先のブラジルで逮捕、懲役2年の判決が下されて刑務所入りとなった。その後、別のパートナーだった女性に対しても暴行等を行なったことが明らかになり、22年11月に刑期が延長され、身柄は母国のアルゼンチンの刑務所へ移送されたという。
ブラジルとアルゼンチン、双方で通算30カ月の刑期を終えたカブレラは、昨年8月に晴れて出所。アルゼンチンの自宅に戻った。
「出所したらプロゴルファーとして試合に戻りたい」という希望を抱き続けたカブレラは、昨年末にPGAツアー・アメリカス(元PGAツアー・ラテン・アメリカ)の大会であるコースト・オープンに出場。出所後、初めて臨んだ4日間72ホールの戦でいきなりトップ10入りをやってのけ、「刑務所でもゴルフの練習をしていたのか?」「体力や筋力はどうやって維持してきたのか?」「なにはともあれ大したものだ」と周囲を驚かせた。
復帰を熱望
その後もカブレラは、PGAツアーやオーガスタ・ナショナルなど方々のゴルフ関連団体に代理人を通じて復帰願いを提出。米スポーツ・イラストレイテッドによると、PGAツアーからは早々に「復帰OK」の返事をもらい、モロッコで開催されたシニアのチャンピオンズツアーの大会に出場するなどして本格復帰への道を進んでいた。
そんなカブレラが何より望んでいるのは、過去の優勝者としてマスターズに出場することだそうだ。
「オーガスタ・ナショナルは私の第二の故郷だ。なんとしてもオーガスタの土の上で再びクラブを振りたい」
カブレラの復帰について、オーガスタ・ナショナルはしばらくの間はノーコメントだった。だが、今年1月、フレッド・リドレー会長は会見でこう語った。
「アンヘル・カブレラは素晴らしいマスターズ・チャンピオンの1人だ。まず彼は、米国入国のためのビザを取得する必要がある。4月までにビザが取れ、入国準備が整ったら、オーガスタ・ナショナルは彼を歓迎する」
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