「日本発の世界的ヒット曲」は「アニメと連動」の現実…人気バンドの異例“SOS”で判明したチケット不振

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競争は激化の一途

 RADWINPSは昨夏、北米、欧州ツアーに続いてアジアツアーを展開。7月21日のソウルから台北、クアラルンプール、バンコクと周り、30日にジャカルタのBasket Hall Senayan GBK(Gelora Bung Karno)で最終日を飾った。映画「天気の子」の主題歌のひとつである「グランドエスケープ」を野田が歌うと、日本語で大合唱が巻き起こるなどボルテージは高かった。その際の感激が忘れられなかった野田は今年のインドネシア公演も大いに盛り上がると確信していたに違いない。ところが、チケットの売れ行き不振という予期せぬ事態に見舞われてしまった。

「野田は19日に再び自身のXに英語で投稿し『チケットは完売した』と報告する一方で、エクストラシートを1万3000円から2万円で販売すると告知しています。現地の物価からすればかなりの高額ですし、わずか1週間で残り3分の2をどう売り切ったのかも気になります。こういうケースが海外で起こった場合、大量の招待チケットを例えば現地日本人会など各団体に配布して何とか会場を埋める、会場の仕切りを移動させて客席のスペースを狭くするなどの方法が使われます」(前出の音楽ライター)

 チケット不振の背景としては会場の変更が影響しているようだ。現地プロモーター関係者は「昨年の会場となったGBKはジャカルタのMRT(ジャカルタ都市高速鉄道)駅に隣接している。しかし、今年の会場となったジャカルタコンベンションセンターは中央ジャカルタの南西部にありけっこう遠いというイメージを持たれたのではないでしょうか」と指摘する。

 しかし、最大の理由は他にありそうだ。野田は21日にアジアツアーの日程表をXに投稿。11日のシンガポール、23日のバンコクのほか、チケット完売としていた19日のジャカルタ、6月15日の金沢、以上4公演について「SOLDOUT」の表示を出していない。つまり、他の都市でもチケットが売れ残っているということになる。

 なぜ、このような事態になってしまったのか。スポーツ紙記者は「J-POPは世界的人気を誇るジャパニーズアニメの波に乗って広がっていきました。YOASOBIやADOはその代表格ですし、ビルボードのグローバル・ジャパン・ソングス18週連続1位のCreepy Nuts『Bling-Bang-Bang-Born』もテレビアニメ『マッシュル-MASHLE-』の主題歌として世界中で大ヒットしています」と指摘。

 その上で、「他にもKing Gnuの『SPECIALZ』は『呪術廻戦』第2期『渋谷事変』、米津玄師の『地球儀』は宮崎駿監督の新作映画『君たちはどう生きるか』の主題歌として書き下ろされました。RADWINPSが音楽を担当した映画『すずめの戸締まり』は公開から1年半。日本アニメは次から次へとNetflixなどで新作が公開されており競争は激化の一途です。『すずめの戸締まり』はそろそろ賞味期限が過ぎつつあるのかもしれません」と説明している。

デイリー新潮編集部

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