「敵対した議員に“殺すぞ”のメッセージが」 安芸高田市長・石丸伸二氏の地元での評判…「極めて生産性が低い市長」の指摘も

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「ほとんどの市議との間に埋められない溝が」

 安芸高田市の市政関係者に評判を尋ねると、

「石丸氏の本質は政治家ではなく、単なるYouTuberみたいなもの。目立ちさえすれば、それでいいのでしょう。就任早々からケンカを吹っ掛け、ほとんどの市議との間に埋められない溝ができてしまったため、市議会が合意形成の場として機能しなくなりました。人口約2万6000人の小さな安芸高田市を大混乱に陥れた人間に、首都東京のトップを務められるはずがありません」

 彼は市長に就任した直後の2020年9月、当時市議だった故・武岡隆文氏が本会議で居眠りしていたことをすぐさまTwitter(現X)に投稿。その後、居眠りを指摘したことで市議会全員協議会に呼ばれ、「敵に回すなら政策に反対するぞ」と恫喝された、などと投稿を繰り返した。

 一方の恫喝疑惑をかけられた市議は、石丸氏と安芸高田市に対して名誉毀損での損害賠償請求訴訟を提起し、昨年12月の第一審判決は「恫喝発言があったとは認められない」として市に賠償を命じた。市議と市の双方が控訴し、今は第二審の判決を待つ最中だ。

「議会と対立し続けた石丸氏は副市長人事や市議定数削減、道の駅への『無印良品』出店などの主要な政策を実現できませんでした。現在、給食費無償化実現を自画自賛していますが、これは国全体の目標となりつつあるので、彼のおかげとばかりは言い切れない。他の功績は公式YouTubeチャンネルの再生回数を増やし、その分の収入が得られるようになったことくらいでしょうか」(同)

「留守電に“殺すぞ”」

 安芸高田市に起こった大混乱は他にもある。石丸氏の“信者”とも呼べるような熱狂的なファンが、市議らを執拗(しつよう)に攻撃してきたのだ。さる市議は憤りながらこう語る。

「生前の武岡さんは20年9月に居眠りを指摘された後、石丸氏から何度もその説明責任を問われ、22年6月に記者会見を開きました。すると、頼んでもない商品が着払いで頻繁に届くようになったり、留守電に“殺すぞ”といったメッセージが残されたりするようになったそうです。以降の武岡さんは酒を飲んでも吐いてしまい、顔色も悪くなっていきました」

 これをきっかけに安芸高田市では、ある対策が。

「HPから大半の市議の住所と電話番号を削除しました。武岡さんだけではなく、私も含めた大勢の市議がネットでの誹謗中傷にとどまらず、同様の嫌がらせを受けてきたのです」(同)

 さる広島県のタクシードライバーは、石丸氏の実家を訪れたいと、遠路はるばるやって来たファンを、3人も乗せたことがあるのだとか。

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