【名古屋ポーカー店店長自殺】遺族から「パワハラと過重労働が原因」と訴えられた店側の反論「遺書を見れば失恋がきっかけだったとしか思えません」

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深夜に開催されていた「遊びのポーカー」は労働だったのか

 店側によると、暴行が起きる直前の深夜1時頃、遥樹さんは店舗内のVIPルームで店の関係者や客とポーカーに興じていたが、B子さんへの恋情から端を発した問題行動を起こしたという。

 風営法でアミューズメントカジノ店は深夜営業を禁止されているが、店は約3年前まで、こうしたゲームを「アフターダーク」と称して不定期に開催していた。

「あくまで営業ではなく、YouTube配信用に客や従業員の有志が集って開催されていた遊びのゲームです。営業時と同様、金銭はかけてはおりません」(社長)

 なお、裁判では遥樹さんがこのゲームに参加していた時間を時間外労働に換算するか否かも争点になっている。裁判に先立って行われた名古屋東労働基準監督署の調査では、「終業時刻以降の具体的な業務内容(Aから業務指示があったかなど)や労働時間を明確に示す客観的証拠は資料には認められない」として、アフターダークは労働時間として認められなかった。

「実際、遊びのゲームであり、従業員とはいえ自由参加でした。ただし、誤解を招くイベントだったこともあり現在は行っておりません」(社長)

レジの金に手をつけた過去

 話を戻す。

 その仲間内でのゲーム中に、遥樹さんはちょっとした出来事がきっかけでB子さんに対する感情を拗らせてしまい、勝手にゲームをやめて部屋を出て行ってしまったという。

 遺族側から提供された動画には遥樹さんがゲームをしていた場面は映っていなかったが、A氏が遥樹さんを追いかけるようにしてVIPルームを出ていった場面は映っていた。

「遥樹さんは、B子が男性客と親しそうにしている姿を見ると衝動的な行動が抑えられなくなり、これまで何度も問題行動を起こしていました。今回も同じように不機嫌さを隠さず、周りを威嚇する態度を見せたため、それが周りから見てどういう行為なのかを本人に理解させるため、行き過ぎた行為ではありますが手をあげるに至ってしまいました」(役員)

 他にあった問題行動とはいったいどういう内容のものだったのか。

「これも故人の名誉を汚すのでこちらから言いたくない話だったのですが、遥樹さんはB子とのことで感情を爆発させると、お店のレジ金に手をつけ違法ギャンブルなどに走ってしまうことが度々あったのです。これはご遺族もご存知のことです。そのたびAは遥樹さんを叱責してきましたが、最終的には更生して欲しいという思いで許してきました」(役員)

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