松井稼頭央監督(48)“解任”のカゲに「株主」と「元主砲」…“クビのすげ替え”で西武・松坂監督誕生に暗雲

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監督交代の流れは決まっていた

 プロ野球西武は5月26日に、今季が就任2年目の松井稼頭央監督(48)が休養し、交流戦から渡辺久信ゼネラルマネジャー(GM)が監督代行を兼任すると発表した。チームはこの日まで15勝30敗、借金15の最下位にあえぎ、18日には早々と自力優勝の可能性が消滅した。松井監督は契約が来季まで残っていたともされる中で、事実上の解任に至った。

 チームは極度の不振とはいえ、球団は、日米通算2705安打の西武OBで幹部候補生として育ててきた指揮官に早々と見切りをつけた。大なたを振るった背景には、親会社の西武ホールディングス(HD)が翌月に控えた株主総会とチームの元主砲のカゲが見え隠れする。

 電撃的な現場トップの交代劇だった。西武は5月25日のオリックス戦(ベルーナドーム)の際にチームに松井監督の休養の方針を伝えた。スポーツメディアによると、松井監督は「(休養は)意識していなかった。もっとやりたかった」と語ったように、まさに青天のへきれきだった。

 一方で球団内では、このオリックス3連戦前から流れが決まっていたようだ。

「チームは3連戦に勝ち越したにもかかわらず、監督を休養させました。早くから現体制では浮上は難しいと分析していたようです。交流戦前の区切りのタイミングで監督交代する方針は、少なくともこの3連戦前には球団幹部の間で決定事項だったと思います」(西武のチームスタッフ)

 松井監督は2017年オフ、選手として所属していた楽天で戦力構想から外れ、コーチ就任を打診されていたところに、渡辺GMが選手契約を申し出た。プロ入りした西武に復帰すると、18年限りで現役引退し、19年から3年間は2軍監督、22年はヘッドコーチを歴任した。将来の監督就任を見据え、帝王学を施されたのだった。

 前出のスタッフがこう回顧する。

「松井監督が西武に復帰した頃は、球団がOBの存在を見直し始めていました。それまで多くの主力選手がメジャーや国内の他球団に移籍していたことで、球団は人材流出に危機感を持っていました。松井復帰は渡辺GMの肝煎りで、当初から監督として育てる方針でした」

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