「ミッシング」で映画賞を…石原さとみが見せた役者魂とは

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 5月17日、石原さとみ(37)の主演映画「ミッシング」(吉田恵輔監督)が公開された。彼女にとっては出産後初となる映画出演で、愛する娘が失踪してしまった母親役を熱演したことが注目されている。

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《失踪した娘を懸命に探し続けるが、夫婦間の温度差や、マスコミの報道、SNSでの誹謗中傷により、いつしか「心」を失くしていく母親・沙織里》を演じたのが石原だ(公式ホームページより)。

 18日に都内の劇場で行われた公開記念舞台挨拶で、彼女は涙ながらにこう語った。

石原:先週のことなんですけど、家族と大きな公園に行ってピクニックをしていたんです。そこで「青いTシャツを着た男の子を探している」という迷子のお知らせが耳に入って、気になって仕方がなかったんです。夕方4時ごろでしたが、見回すとベビーカーを押しながら大声で叫んでいるお母さんがいて。鬼気迫るような表情と声は胸が締め付けられるほど怖くて……。私も40分ぐらい探したんです。閉園時間も迫った帰り際、サービスセンターを大号泣して走り去っていくあのお母さんを見つけたんです。それで「迷子になった男の子の特徴をもう一度、詳しく教えてください」と尋ねたら、「たった今見つかりました」と言われ、私、本当に泣けてきて。あのお母さん、安堵の涙だったんだと思ったんです。この映画で沙織里という役を演じて、自分の財産となる知らなければいけない感情というものを知りました。そして(撮影から)1年以上経っても沙織里の気持ちが生き続けているんだなと知りました。(中略)そしてこれから観られる皆さん、どうか少しでも彼女の苦しさ、つらさ、伝わったらいいなと。そして誰かに優しくて温かい言葉をかけてくださるような出来事、行動が1人でも増えていったらいいなと心から願っています。本日は本当にありがとうございました。

 石原がプライベートのエピソードを話すのは珍しい。業界関係者は言う。

厳しいことで有名な監督

「母親となり女優として一皮むけたということでしょう。彼女はこれまでドラマでも恋愛モノか、『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ)のようなOL、現在放送中の『Destiny』(テレビ朝日)では検事といった型にはまった役が多かった。『ミッシング』は自ら吉田監督とやりたいと懇願したことで実現した作品ですから、思い入れもかなり強いのでしょう」

 なぜ吉田監督を選んだのだろう。

「彼女は吉田監督と初対面の際に『石原さとみを壊したいんです』と言ったそうです。結婚や出産をしても、同じホリプロ所属の綾瀬はるか(39)や深田恭子(41)には負けたくないという思いがあったのでしょう。吉田監督は、売れていようが大手事務所の所属だろが、忖度せずに厳しい指導をすることで有名です。しかも、彼の作品は、何かと話題になることが多い。それもあって、俳優の間でも人気がああります」

 2010年公開の「さんかく」は高岡蒼佑の主演で、男女の三角関係がテーマ。TAMA映画賞の最優秀作品賞や高崎映画祭の若手監督グランプリ、新藤兼人賞などを受賞した。16年の「ヒメアノ~ル」は森田剛の単独初主演映画で、森田が冷酷な殺人鬼を演じて話題となった。21年の「BLUE/ブルー」は、負け続きのプロボクサーを演じた松山ケンイチが役作りに2年もかけた。

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