世界初の「空母機動部隊」を作った異端の日本軍人――「おのれの頭で考えつづけた」小沢治三郎の独創性とは?

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 日本型の「指揮統帥文化(コマンド・カルチャー)」にどっぷり浸かり、艦隊決戦の夢を追う海軍指揮官の中にあって、ひとり最善の方策を、自分自身の頭で考え続けた将軍がいた。

 軍事史に詳しい大木毅さんの新刊『決断の太平洋戦史 「指揮統帥文化」からみた軍人たち』は、日米英12人の指揮官たちの決断の背後に潜む「教育」や「組織文化」、「人材登用システム」に着目したユニークな評伝だ。

 同書で取り上げられた軍人の一人が、日本海軍にはきわめてまれな先駆的頭脳を持ち合わせていた小沢治三郎だ。...

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