京都・八坂神社で「鈴の緒」に利用制限…背景に“参拝客のトラブル” 動画を晒された外国人男性は「訴訟の準備をしています」

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「トラブルになりそうな場合はまず警察を呼んでください」

 今回の騒動について、当の八坂神社はどのように捉えているのだろうか。

「動画のことは把握しており、参拝者間のトラブルがあったものだと認識していますが、実際にその場でどういった事が起こったかという、事実確認まではしておりません」(八坂神社の広報担当者)

 との返答だった。夜間の鈴緒の利用制限については、

「今回の1件がひとつの契機になったことは事実ですが、以前から日本人、外国人に限らず、鈴緒を強く振る方がいて、鈴緒が壊れてしまうという事例も起きていた。特に夜間は警備員が2名、当直の神職が2名しかおらず、参拝者の安全を確保するために、今回このような対応に踏み切ることになりました」(同)

 観光客の誘致やオーバーツーリズム問題への対応などを所轄する、京都市役所産業観光局の観光MICE推進室も、事態を把握していた。

「最近は外国人観光客の方が舞妓さんの通勤を止めてしまうなどするトラブルも起きています。対策として、旅行会社などを通して“Mind Your Manner”という啓発冊子を外国人観光客に配布し、ゴミのポイ捨てや許可のない撮影、文化財を傷つける等の行為は悪質な場合、犯罪にもなり得るという強いメッセージも発信しています。今回の件に個別に対応できているわけではありませんが、市民の皆さんと外国人観光客とが、対立することなく尊重し合える、“持続可能な観光”を推進していきたい」(観光MICE推進室の持続可能な観光推進課長)

 また、女性の“意図”については一定の理解を示しつつも、こう注意を呼び掛けた。

「電車内を思い浮かべてもそうですが、“マナー違反”というのは人によって感じ方の程度が異なるので、なかなか難しい側面があります。あくまでコミュニケーションの延長線上で、外国人観光客とマナーについてやり取り頂くのは良いのですが、我々としては、市民の皆さんに外国人観光客のマナー啓発をするところまでは求めていません。トラブルになりそうな場合はまず警察を呼んでください」(同)

デイリー新潮編集部

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