昨年は最下位…「岡田・阪神」は今年の交流戦をどう戦うのか 注目選手をピックアップ

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ダブルクローザーの前にもう一人

 攻撃面での交流戦対策は、今のところ妙案はない。チーム打率2割2分3厘、長打率3割5厘はリーグワーストで(26日終了時点)、ファームで調子の良い選手を見つけ、佐藤輝明(25)のファーム落ちでレギュラー不在となった三塁と外野の一角で使っていくしかないだろう。ここまでの試合と同様、四球を選び、バントや右方向への繋ぐバッティングで1点ずつ積み上げていくしかない。

「監督は木浪聖也(29)に期待しているようです。彼は満塁での打率が高い。今季はここまで5打数3安打。昨季もトータルで18打数8安打、本塁打1、打点19を稼いでいます」(前出・在阪メディア関係者)

 とはいえ、昨年の交流戦での木浪の打率は2割8厘。チーム最高打率が大山悠輔(29)の2割4分6厘だった。慣れていないパの投手を相手にする交流戦では、大量得点を望めそうにないというのが関係者の見方だが、交流戦前のチーム失策数は26で、リーグで2番目に多い。つまらないミスは禁物であり、お得意の継投策で逃げ切ることになるだろう。

「今、岡田監督が信頼を寄せているセットアッパーは石井大智(26)です。4日に再昇格して以降、まだ1点も取られていません」(前出・同)

 ゴールデンウィーク以降、阪神戦のネット裏にはパ・リーグ球団のスコアラーも増えてきた。好調な石井のことは気になるようで、「データが少ないんだよな」と嘆く声も聞かれた。今季のクローザーは、ゲラ(28)と岩崎優(32)を使い分けている。9回にゲラが投げるときは岩崎が8回に、岩崎が9回のときはゲラが8回のマウンドを務めてきた。この“ダブルクローザー構想”はすでに浸透しているが、「2人の前の7回は石井」の勝ちパターンも定着しつつある。

「石井はNPBでは珍しい高等専門学校の出身です。真上から投げ下ろすパワー系のピッチャーで、開幕直後は不振で二軍再調整を命じられました。再昇格後は僅差の場面で使われています」(前出・同)

 阪神は先発投手と打線に課題を残しての交流戦突入となるが、昨季、高専出身者でプロ初勝利を挙げた石井が、ブレイクするきっかけをつかむことができるかどうか。この辺りも気になる。

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