昨年は最下位…「岡田・阪神」は今年の交流戦をどう戦うのか 注目選手をピックアップ

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「戸郷ノーノー」のウラで

 セパ交流戦を前に行われた、伝統の一戦。巨人・戸郷翔征(24)のノーヒットノーランで始まった3連戦は、1勝2敗と阪神が負け越し、2位・広島とのゲーム差は「0.5」と迫られた。

「交流戦は何が起きるのか、予測がつきません。昨年も阪神は独走態勢を築きつつあったのに交流戦で負け越し、リーグ2位以下のチームを勢いづけてしまいました」(在阪メディア関係者)

 昨年の交流戦はセ・リーグ52勝、パ・リーグ54勝で引き分けは2つ。セが交流戦を苦手とする傾向はまだ続いており、阪神は勝率5割以上で乗り切ることで、その後のペナントレースを有利に進めようとしていた。しかし、直前の巨人との3連戦で、岡田彰布監督(66)は交流戦対策を再考しなければならなくなった。

「阪神はまた先発投手が足らなくなってしまいました」(前出・同)

 戸郷の記録達成ばかりがクローズアップされたが、3連戦初戦の24日は、今季初先発の及川雅貴(23)がアクシデントに襲われた。4回まで無失点、5回に1点を許した直後だった。打席に立った戸郷への投球が大きく外れた。捕手・坂本誠志郎(30)がマウンドに行き、いったんベンチに下がった。及川は再びマウンドに上がったが、投球練習の一球目を見て、岡田監督が投手交代を告げた。

 試合後、岡田監督ははっきりと、

「マメ。ファームで1回マメをつぶして、そこと同じところみたいやけどな」

 と、語った。さらに「ちょっと当分アカンやろ」とローテーションから外れることも示唆した。

「現在、開幕ローテーション入りしていた青柳晃洋(30)、伊藤将司(28)がファーム落ちしています。岡田監督はその2人の抜けた穴を及川とビーズリー(28)で埋めるつもりでした。及川は巨人戦で5回途中まで2奪三振、1失点と好投していました」(前出・同)

 及川は翌25日、一軍登録を抹消された。

交流戦、先発陣のキーマンは?

 及川の代わりとなる先発要員は、交流戦が始まる28日から一軍登録が可能となる、青柳の緊急昇格が予想されていたが、島本浩也(31)が昇格した。青柳は24日の二軍戦に登板。3イニングを投げ、無失点。和田豊二軍監督(61)はこう評していた。

「本当に、球自体は何度も言うけど全く悪くないんでね。あとは制球というかね。そこらへんのところで今日はコントロールよく投げられたんで。あれが実際の甲子園、一軍のマウンドで出来れば。今日はファームだから(抑えられた)っていう球じゃなかったと思う」

 とはいえ、青柳は前回一軍登板で(5月17日、ヤクルト戦)、初回、先頭打者にいきなりフォアボールを与え、タイムリーを打たれ失点するなど、制球難に苦しんでいた。結果は6回5安打4失点。与四死球は5だった。今季は制球難による投球過多の傾向が強く、実際にマウンドで投げてみなければ分からないといった状態だった。

「交流戦は及川に頑張ってもらい、青柳には万全を期して7月以降の復帰で良いと岡田監督は捉えていたようです。青柳のような技巧派タイプよりも、才木浩人(25)、及川、ビーズリーのような強いボールを投げるタイプのほうがパ・リーグの強打者たちを抑えてくれると思っているのです。日中、岡田監督はファーム戦をi-Padで見ています。甲子園で試合があるときは出前の昼食を食べながら、じっくり観戦しています」(球団関係者)

 交流戦での先発陣のキーマンは才木だと思われる。ゴールデンウィーク中の巨人3連戦でのことだ。阪神は第2戦も落とした後、岡田監督は「明日(の先発)は才木だから」と敢えて才木の名前を出した。関係者は今季、チームの連敗を3回続けて止めている才木が投げるから、同一カード3連敗はないという意味だと受け取ったという。実際、才木はその5日の第3戦で勝利投手になっている。

「走者は出すものの、しっかり押さえる粘投タイプ。26日の巨人戦では8回途中7安打無失点でしたが、後続がつかまり、ハーラー単独トップの6勝はお預けになりました。防御率1.54はリーグ3位です」(在阪メディア関係者)

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