巨人は相変わらず打てない…打線を組む際に欠けていると思う重要な視点とは【柴田勲のコラム】

  • ブックマーク

欠けている視点

 1番から丸、坂本、吉川、岡本和と主力を並べている。5番には長野、立岡宗一郎、岸田行倫らを起用している。岡本とは無理をして勝負する必要はない。

 5番から8番の顔ぶれは軽量だ。どう見ても打てそうもない。第一、振りが鈍い。萎縮しているし、迫力がない。

 相手チームだって同じ印象を受けるし、同じ見方をする。これが第1ストライクを思い切って振ってくるような選手たちだったら、また違うだろうが。同じ凡打でも内容が悪い。

 チーム内の選手の調子を優先して起用することもあろうが、対戦チームが打線をどう見るか。怖がる打線はどう組めばいいのか。この視点に立つことも大事だ。一シーズン通せば、活躍するような選手は活躍するし、打つべき選手は打つ。

 巨人は48試合を消化して23勝21敗4分で3位につけている。中継ぎ陣を含む投手陣の踏ん張りのおかげだ。

 28日からは交流戦が始まる。東京ドームにソフトバンクを迎える。山崎伊織が先発だ。戸郷とともに調子がいい。菅野智之もスライダーの多投で頑張っている。ベテランの復活は頼もしい。

 当日は5月3日の「長嶋茂雄DAY」に続く「王貞治DAY」。巨人創立90周年の記念特別試合だ。私は90周年といわず、毎年でもやってほしいと思っている。

 負けられない一戦だが、こうなったら、巨人は強力なソフト バンク打線を封じて、ロースコアで勝利をモノにしてもらいたい。大いに期待している。(成績などは26日現在)

柴田 勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。