巨人は相変わらず打てない…打線を組む際に欠けていると思う重要な視点とは【柴田勲のコラム】
戸郷を祝福したい
巨人が甲子園での阪神3連戦を2勝1敗と勝ち越した。甲子園では2年ぶりとなる勝ち越しだという。
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第1戦は戸郷翔征がノーヒットノーランを達成した。巨人の投手が甲子園で達成したのは1936年の沢村栄治以来、88年ぶりの快挙だという。
ストライクを先行させて主導権を握り続けた。援護は1点だけで、しかも完全アウェーでの達成だ。巨人、そして戸郷にとっても価値があったと思う。
おめでとうと祝福したい。でも、この勢いを翌日につなげられないのが今の巨人だ。逆にビーズリーに6回まで完全に抑え込まれ、中継ぎ陣に反撃できず今季7度目の完封負けを喫した。ビーズリーの出来も良かったが、相も変わらずここ一本が出ない。
岡本への指摘
特に4番・岡本和真が走者を置いた場面で3度凡退した。4打数無安打で3三振、突破口を開きたいところだったが、主砲の役割を果たすことができなかった。
その岡本和が第3戦、1点を追った9回1死から起死回生の同点弾を放った。4番が打てば試合の流れも変わる。典型だ。延長10回、丸佳浩の犠飛で勝ち越した。
何度か指摘したが、岡本和は中堅へフライを上げるつもりで打てばいい。徹底すれば、難しい球、例えば低めのフォークなどに手を出さなくなる。追い込まれたらどんな球にも対応しなければならないが、その前の第1ストライクに甘い球が来る確率は高い。
この一本を復調のきっかけにしてほしい。
ベストな打線
それにしても、巨人打線は打てない。18試合連続4点以下だ。現状は2点を取るのが精いっぱいだ。
これはあくまでも私見だが、ベストと思える打線はこうだ。
1番・吉川尚輝、2番・門脇誠、3番・丸、4番・岡本和、5番・坂本勇人、6番エルエ・ヘルナンデス、7番・大城卓三、8番には萩尾匡也、オコエ瑠偉、長野久義らだ。
もちろん、大城はいまだにファームだし、ヘルナンデスはいまのところ未知数だ。様子を見る必要がある。門脇はベンチスタートが多くなった。阿部慎之助監督は代わりに新人の泉口友汰を起用している。
だが、泉口はいま、調子が良いかもしれないが、一シーズンを通せば門脇の方が実力は上だろう。阿部監督が一度はレギュラーと明言した選手だ。大城にしても15~16本の本塁打を打てる捕手だ。ファームにいる秋広優人も昨季、しっかりとした実績を残した。
打線をいくらクルクル入れ替えても、打てないものは打てない。シーズンを通してみると活躍する選手は決まってくる。数試合の結果ではなく、そういった選手を我慢して使い続けることが肝要ではないか。
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