大谷翔平の“リアル二刀流”が実現! “歴史的な1球”を投じた試合も…無双モードだった忘れがたき「交流戦」を振り返る
「藤浪晋太郎」とのプロ初対決が実現
過去18回(2000年はコロナ禍で中止)にわたるセ・パ交流戦の熱戦の中から、記憶に残るシーンを3回にわたって振り返る企画。第2回は、日本ハム入団1年目の2013年から2016年まで交流戦に出場した大谷翔平の名場面を紹介する。【久保田龍雄/ライター】
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2013年、ドラフト1位で日本ハムに入団した大谷は、5月14日の中日戦で、6番ライトで交流戦デビュー。2回に左越え二塁打を放つなど、高卒新人では史上初の交流戦マルチ安打(4打数2安打)を記録した。
プロ初先発初登板も交流戦で実現した。5月23日のヤクルト戦、大谷は初回の先頭打者・ミレッジへの初球、外角直球が152キロを計測。3回にもバレンティンに対し、プロ入り最速の157キロをマークした。
5回を6安打2失点の1点ビハインドで降板も、味方が8回に同点に追いつき、勝ち負けはつかず。「ここがスタート。いい面と悪い面の両方が出たことが収穫」と、二刀流への大きな第1歩を踏み出した。
5月26日の阪神戦では、高校時代からのライバル・藤浪晋太郎とのプロ初対決が実現。「18歳の同じ学年で、そういう意味では楽しみでした」という大谷は、デビューから17試合目で初のクリーンアップとなる5番ライトで登場した。
2回無死一塁の第1打席は左飛に倒れたが、4回1死の第2打席は、藤浪の146キロ外角直球を「とらえたつもりだったけど、シュートして先っぽに当たった」と打ち損じながらも、スピンのかかった打球がレフト・マートンの前に転がる間に一挙二塁を陥れた。
さらに6回2死の第3打席では、右中間に文句なしの2打席連続二塁打を放ち、ライバル対決は3打数2安打で大谷に軍配。だが、試合は1対7で敗れ、藤浪が勝利投手になったことから、「個人的には2本打ったけど、勝たないと意味がない」と悔しさをのぞかせた。
「悔しい思い出しかない」甲子園で初勝利
そして、中8日で2度目の先発となった6月1日の中日戦では、5回を4安打4奪三振の3失点ながら、アブレイユの3ラン、鶴岡慎也の2ランで5点、降板後の6回にも陽岱綱のダメ押し2ランが飛び出し、7対3でうれしいプロ初勝利。「なかなかリズムに乗れませんでしたが、攻撃に助けられました」と援護弾を放った先輩たちに感謝した。
プロ2年目の2014年は、5月31日の阪神戦で、0対1の7回に能見篤史から右中間に交流戦初アーチとなる起死回生の同点ソロ。プロ入り後、初めて左腕から記録した一発は、9回にミランダのサヨナラ2ランを呼び込んだ。
6月11日の巨人戦では、初回、アンダーソンを自己最速タイ160キロ(6月4日の広島戦以来2度目)で二ゴロに打ち取るなど、7回途中まで4安打6奪三振の1失点も、左ふくらはぎを吊って途中降板。「これから7、8、9回いけるかなというところだったのに……」と残念がった。
6月18日の阪神戦でも右ふくらはぎの張りを理由に8回で降板したが、1安打11奪三振無失点の快投を見せ、高校時代は0勝2敗で「悔しい思い出しかない」甲子園で初勝利を挙げている。
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