森ビル14年目に突入する辻慎吾社長のワンマン体制 関係者は「社内は自由にモノが言える雰囲気ではない」

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セクハラを訴える声

 会議ではいつも不機嫌そうで、社員の説明が少し長くなっただけで「何が言いたいんだ!」と苛立ちを隠さない──。

「パワハラと言われても仕方ないでしょう。これでは社員が萎縮する一方です。おまけにセクハラ疑惑の声も上がっています。お気に入りの女性社員を執拗に酒席の場に誘ったり、出張に連れて行こうとしたりすることは、上層部はもちろん、社内でも周知の事実だそうです。こうなると辻社長一人の話ではなくなり、森ビルの企業コンプライアンスを問題視せざるを得ません」(同・関係者)

 昭和の時代ならともかく、昨今はワンマン社長を「意思決定が早い」などと評価するだけで時代遅れの見解と言われてしまう。辻社長が“独裁”で成果を出してきたことは否定できないが、その弊害も大きいようだ。

「実は2000年代前半、森ビルの経営状態は決して良好ではないという時期がありました。しかし森稔さんからバトンを渡された辻さんは強気の経営戦略を貫き通し、虎ノ門ヒルズの開業を筆頭に確かな実績を積み重ね、経営者としても優れた手腕の持ち主であることを示しました。実際、辻さんは自分がワンマンだと認めていますが、その弊害が最近、特に目立つようになってきたと思います。社員が辻さんにモノを申せば罵倒されたり、嫌われたりします。結局、何も言えないので部下が育ちません。森稔さんが社長だった頃の自由闊達な社風は消え去ってしまいました」(同・関係者)

社外関係者の辛辣な批判

 辻社長が身につけるものは、服も時計も靴も、常に一流のブランド品。会合が好きでフットワーク軽く各界の人物と会食を共にするが、その際も一流と評される人物としか会わないという。社内で辻社長に対する不満が渦を巻いているだけでも大問題だが、社外の関係者からの評判も芳しくないという。

「ご本人はグルメでワイン通を自認しており、連日連夜、政財界の主要人物と高級店での会食を繰り返しています。ところが、酒席を共にした人々は口々に『自慢話が多すぎる』、『何もかも俺がやっているんだと言わんばかりの態度で、謙虚さに欠ける』、『損得勘定でしか人を見ない。人としての徳を感じられない』、『同席している社員に対しては、まるで召使いに命令するような口調で、品性に欠ける』と手厳しい批判ばかりです。森ビルとしては恥ずかしいことだと思いますが、辻社長の悪評は業界関係者の間では結構、知られているのです」(同・関係者)

 会食における人物評が芳しくなくても、社長としての手腕は見事というケースもある。ところが辻社長のパワハラまがいの言動が原因で、取引先が実害を被ることさえあるという。

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