麻布台ヒルズ タワマン「レジデンスB」の完成が遅れている…森ビル社長の謝罪は紙1枚に疑問の声

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 デイリー新潮は昨年12月13日、「『まるで迷路』『準備中の店ばかり』 麻布台ヒルズ『行ってガッカリ』の裏事情」との記事を配信した。大手デベロッパーの森ビルが麻布台ヒルズ(東京都港区)の開業式典を開いたのは昨年の11月24日。つまりオープン直後の評判を伝えた記事になる。

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 一方、大手メディアは開業当初、麻布台ヒルズに建つ「森JPタワー」に注目した。その理由について担当記者が言う。

「これまで日本一の高層ビルは、あべのハルカス(大阪市阿倍野区)で高さは300メートルでした。一方の森JPタワーは高さが330メートルなので、新聞社やテレビ局が『東京で日本一の高さを誇るビルが開業した』と大きく報じたわけです」

 麻布台ヒルズの敷地面積は約6万4000平方メートル。森JPタワーを含めて3つの超高層タワーと複数の低層建物で構成されている。かつては下町情緒の残る住宅街が、森ビルの手によって、どれほど贅を尽くした街に生まれ変わったのか、デイリー新潮の記事から見てみよう。

《内部には「日本一の高額物件」ともいわれる約300億円のペントハウスも備えた1400戸のレジデンスと、約2万人の就業者を収容するオフィスに加え、年間3千万人もの来場者を見込む商業施設、それに慶應大学病院の予防医療センター、都心最大級のインターナショナルスクールなどが備わり、さながら一つの街のような造りとなっている》

大問題の「レジデンスB」

 ところが麻布台ヒルズを訪れてみると、「フロアガイドなどに問題があり、“大人の迷子”が続出している」、「多くの商業施設が開業準備中で、ランチや買い物もできない」などなど、批判の声が続出している──これがデイリー新潮の報道内容だ。興味のある方は、デイリー新潮の記事をお読みいただきたい。

「実は麻布台ヒルズには、規模が桁違いの“開業準備中”の施設があり、すでに大きな問題となっています。その物件はレジデンスBという高さ約270メートルの超高層ビルで、地上64階、地下5階、総戸数約970戸のタワーマンションです。低層部には商業施設やオフィスも入居する予定で、三井住友建設が2019年10月に着工しました。ところが、トラブル続きで、今に至るまで完成していないのです」(同・記者)

 当初は2023年3月末の完成予定だった。ところが、21年の段階で地下工事の設計を変更する必要が浮上。このため完成は24年6月に延期された。

「三井住友建設は21年11月、『国内で施工中の大型建築工事における採算悪化に伴い、工事損失引当金繰入額を含む206億円の損失を計上する』と発表しました。マスコミなどが問い合わせても、同社は“大型建設工事”が何を指すのか答えませんでした。とはいえ、多くの関係者はレジデンスBのことだと分かっていたのです」(同・記者)

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