年商4000万円のキクラゲ農家になった元ソフトバンク・中原大樹さんが語る、同年入団の柳田悠岐への感謝
公式戦に出られないまま引退
引退した野球選手の第二の人生は多種あれど、こちらはバットをスキとクワに持ち替えて「農家」への転身だ。しかし相手は思うに任せぬ大自然。金の工面も土地の手当てにも一苦労――。彼らの汗と涙の道のりをノンフィクション・ライターの西所正道氏がたどった。【全中後編の後編】
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キノコの一種、キクラゲの栽培を手がける、元ソフトバンク内野手の中原大樹さん(31)。
ソフトバンクファンでさえこの人を知らないかもしれない。鹿児島城西高校時代に通算36本塁打を放った強打を買われ、2010年の育成ドラフトで2位指名を受けるが、2軍の公式戦にすら出られないまま14年に引退したからだ。...