「野球選手が農業? なめやがって」と言われ… 元中日投手・三ツ間卓也がイチゴ農家になるまでの険し過ぎた道のり
「キッチンカーを球場に出したい」
そうしてオープンした三ツ間農園だったが、今年2月の3連休に1日80人ずつ客を入れたところ、2日目の終了時点で色づいたイチゴがすべてはけてしまう緊急事態が発生。寒さのためイチゴの生育が追いつかなかったせいだ。3日目の予約客に電話口で平身低頭しながらキャンセルの連絡を入れたという。
「本当に申し訳なくて。1年目は分からないことばかりで、探り探りでしたね」
当初、余剰のイチゴをミキサーにかけてシェイクして、キッチンカーで売り出す計画があった。平成の時代、起業家が投資家の前で事業計画を披露し、出資を募るテレビ番組「¥マネーの虎」が人気を博した。その復刻版たる「令和の虎」というユーチューブ番組に出演して“虎”たちにキッチンカーへの出資を訴えた。
熱意が伝わり、500万円の融資が認められたが、いざ農園を始めると、余剰となるイチゴは出なかった。そのため目下、ハウスの増設を検討中だ。
「収穫量が増えれば、キッチンカーを球場に出したいんですよ」
と三ツ間さん。
「(地元の)横浜スタジアムで、(古巣の)ドラゴンズ戦だけでいいから、アイスとかシェイクとか食べてほしいです」
前編では、妻を失くしたことをきっかけに、玉ねぎ農家に転身した元巨人投手・河野博文さんにインタビューを行っている。
さらに後編では、引退後、キクラゲ農家として成功する元ソフトバンク・中原大樹さんが語った険しい道のりと、同年入団の柳田悠岐への感謝などについて紹介している。
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