巨人、エースと4番のポスティング移籍「同時容認はない」 戸郷翔征、ノーノー達成でも“チーム内序列”という壁

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メジャー移籍は「まずは和真でしょう」

 戸郷は20年に9勝(6敗)をマークし、リーグ優勝に貢献した。その後、巨人のエースへと成長し、WBC日本代表選出も果たした。一方で主要タイトルは22年の最多奪三振のみで、優勝への貢献も山本と比べると見劣りする。それが今回、一つ偉業を達成したことで、着実に渡米へ前進したように映るのだが……。

 さる巨人のチーム関係者は、今オフは時期尚早とした上で、その理由を説明した。

「年齢的にもチームへの貢献度でも、ポスティングにかけるなら戸郷より和真が先というのが筋です」

 その岡本和真内野手(27)は戸郷と同様、WBCでメジャー志向を強くした。昨季終盤には米メディアで昨オフのポスティング移籍の可能性が浮上。米球界関係者の間では、今オフの移籍は既定路線とさえ囁かれている。

「和真の海外FA(フリーエージェント)権取得は最短でも26年オフです。FAだと30歳でのシーズンとなるため、戸郷よりも時間的な猶予はありません。脂が乗った時期に一番レベルの高い場所でプレーするため、一刻も早いポスティング移籍を望んでいるようです。まずは和真でしょう」(同チーム関係者)

岡本が米移籍なら戸郷は難しくなる

 巨人は過去、山口俊(引退)、菅野智之両投手でポスティング移籍を容認した経緯がある。菅野はメジャー球団との交渉が不調に終わったため、岡本は米移籍が決まれば、生え抜き選手では初のケースとなる。02年オフ、巨人がポスティング移籍を認めていなかった当時、松井秀喜外野手(引退)はFA移籍するしか選択肢はなかったが、時代は変わり、「選手をメジャーに売る」という意味合いを持つポスティング移籍に対する球団やファンの抵抗感は薄れている。

「日本球界が巨人1強だった時代は終わっています。子どもの頃からメジャーが現実的な目標となっている今はポスティングを認めていないと、新人選手の獲得に悪影響が出てくるようになりました。ドラフトで指名してもFAでしかアメリカに行けないなら、巨人には入りたくないという選手が出てきかねません。球団もそうした事情は理解しているようで、岡本のポスティングの容認は柔軟に考えるとみています」(在京球団編成担当)

 やはり今オフの岡本のポスティング移籍は実現性が高いようである。一方で実現なら戸郷の米移籍は難しくなる。その心はこうだ。

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