かつては「暗黙の合意」も…女性芸人が続々と「容姿イジり」を封印する納得の理由
笑いのあり方は時代によって変わる
笑いはナマモノである。芸人は、観客がどこでどう笑うか、というのを敏感に察知して、ネタの中身を日々調整している。彼女たちは、容姿ネタが少しずつウケなくなっていることを感じて、それをやらないことにしたのだろう。
しかし、今のところ、容姿ネタ全般がお笑い界から消えてしまったわけではない。少なくとも男性芸人に関しては、見た目をネタにするのが悪いことだとは思われていない。男性と女性では見た目に関する意識の違いが大きいため、男性の容姿イジりはまだそこまで嫌悪感を持たれていないのだろう。
笑いとは緊張からの解放であり、リラックスした状況でなければ生まれないものだ。女性が容姿のことをネタにされたりすると、直接不快に思ったり傷ついたりする人もいるだろうし、そうやって傷つく人がいる可能性を想像するだけでも笑いの妨げになってしまう。
笑いのあり方が時代によって変わっていくのは当然のことであり、プロの芸人はそれを敏感に察知している。女性芸人が続々と容姿ネタを封印しているのは時代の必然だと言えよう。