「朝食のオムレツは固め」 外遊先でVIP待遇を受ける飯島勲内閣官房参与の「トリセツ」とは

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外務省は飯島氏とは相異なる説明

 しかし、飯島氏当人に話を聞くと、

「(参与の中でも、飯島氏だけ外遊に同行するのは)私は特命担当。参与で官邸に部屋を持っているのは私だけですから。朝は4時前に起きることもありますが、(ホテルの喫煙所を外務省の職員に案内させることは)それはないです。(ホテルの部屋には)ベランダやテラスがついているから、外に出る必要がないじゃない。(2日の公式昼食会の時間は)宿舎で資料を点検していました。どこの国でも100%、個別に食事をすることはありません」

“トリセツ”の内容を否定した上で、

「官邸の中で、フランスのレジオン・ドヌール勲章オフィシエ(最高勲章)と農事功労章を持っているのは私だけ。ブラジルだって、2003年から(ルーラ)大統領をよく知っているし」

 自身の存在価値を力説するのだが、外務省に確認したところ、

〈飯島内閣官房参与は、2日のOECD閣僚理事会における行事に出席した後、同日午後の日仏観光イベントまでの間にパリ市内で昼食を取ったと承知しています。その際、公務から公務への移動であったため、公用車を使用したと承知しています。昼食代は、同参与が私費で支払いを行ったと承知しています〉

 れっきとした公式回答で、飯島氏とは相異なる説明を行うのである。

“トランプと向き合えるのは自分しかいない”と豪語

 政治ジャーナリストの青山和弘氏が言う。

「岸田総理は外務大臣を4年8カ月務めた経験から、外交にはもともと自信があります。先月、訪米時に行った上下両院での演説が好評だったことで、さらに自信を深めているようです。先の補選で全敗したにもかかわらず、周囲には“アメリカの大統領がもしもトランプになっても、彼と向き合えるのは自分しかいない”と語っています」

 だがしかし、あまりの支持率の低さに「もはや、6月の国会会期末の解散も不可能」(前出・デスク)な状態である。総理本人の思いとは裏腹に、相手にしてくれる国も今後は、ますます減っていきそうなのだ。

 前編では、税金の無駄遣いとしてか思えない国会議員らの外遊の内容や、成果のない岸田総理の外交に前駐豪大使が呈した苦言について報じている。

週刊新潮 2024年5月23日号掲載

特集「超円安で『海外旅行は高嶺の花』の折も折 『岸田総理』『13閣僚』GW外遊の税金ムダ遣い」より

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