「月曜日が辛い」を克服する週末の過ごし方 雨天で頭痛が起きやすい「低気圧不調」の対処法も

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 週明けの月曜日、また一週間が始まるのかと思うと憂鬱に……。さわやかな晴れの日に比べ、雨の日が続く梅雨時期にストレスが溜まりやすい人も多いのではないでしょうか。

 気分だけでなく、気圧の変化が激しくなるこの時期に頭痛、体のだるさ、めまい……そんなお悩みをお持ちの方も多いでしょう。気圧と体調不良の関係には、実は自律神経が深く関係している、と専門家は話します。

 月曜日から憂鬱な気持ちになっている方へ、『月間100万人利用アプリ! 頭痛ーるが贈る しんどい低気圧とのつきあいかた』から、一部抜粋のうえ、ちょっとした対策で乗り切る方法をお届けします。

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「全身に力が入らない感覚になる」

「ひどいときは一日中何もできないぐらいにぐったりする」

 気圧予報に基づく体調管理アプリ・頭痛ーるのユーザーアンケートでは、気圧の変化によってこうした不調に悩む人たちが見受けられます。

 2019年、耳の中にある聴覚と平衡感覚をつかさどる内耳の前庭器官に、気圧の変化を感じ取る部位と機能もあることが世界で初めて解明されました(愛知医科大学・研究グループ)。

目に見えない気圧の変化に混乱してしまう脳

 私たちは普段、内耳の機能で平衡感覚を保ちます。

 同時に、自分の姿勢や動き、揺れ、スピードの変化など目からも情報を得ています。

 それらの情報が脳で統合され、状況に合わせた体の状態を自律神経の働きで保っているのです。

 目を閉じた状態で片足立ちをするのが難しいように、姿勢の維持には内耳の機能だけではなく、視覚で得られる情報が重要だといいます。

 体で感じる刺激と、視覚から脳に伝えられる情報に相違がなければ、私たちは問題なく環境に適応して過ごせます。ですが、乗り物酔いをする場面を想像してみてください。バスで後ろの方の席や新幹線・飛行機の通路側などに座っていて、今どのように移動しているのか、これからどのように進んでいくかの情報が目から入ってこないときは、内耳ばかりが刺激を受け続け、脳はちょっとした混乱状態になります。

 個人差があり、全く影響を受けない人もいますが、中には自律神経に異常な信号が送られ、吐き気や頭痛など不快な症状に陥る人もいます。

 気圧の変化についても同様のことが言えます。気圧の変化は、目で見て分かるものではありません。そのため、視覚からの情報としては何の変化もないのに、内耳では気圧の変化をキャッチしている、という状況になります。

 このアンバランスな状態が自律神経に影響を及ぼし、体調不良につながっていることもあるのです。

 ここで、自律神経についても少し触れておきましょう。

 医学博士の舟久保恵美先生も「気圧の変化による体調不良には、自律神経が大きく関係しています」と話します。

 自律神経は呼吸や消化、循環、排せつといった体の機能を自然に調節する神経系で、交感神経と副交感神経に分けられます。

◎交感神経は興奮状態や緊張した状態のときに優位になる
◎副交感神経は安静状態や休息状態のときに優位になる

 という働きがあります。

 交感神経と副交感神経は互いに作用を打ち消しながら体のバランスを取っています。

シーソーのような自律神経

 例えば交感神経が優位で心臓がドキドキしているときには、副交感神経が働いて状態を落ち着かせようとします。交感神経と副交感神経が互いに作用しあう様子を、舟久保先生は「シーソーのよう」だと表現します。

 これは、人間は生命を維持するため、外部の環境変化に対応し、体の内部環境をほぼ一定に保とうとするからです。

 この働きを恒常性(ホメオスタシス)と言い、例えば暑いときに汗をかいたり、寒いときにブルブル震えたりするのも、体温を一定に保とうとする自然な反応です。

 こうした働きのある自律神経が乱れると、体調にも影響が出てしまうのです。

 内耳が気圧の変化をキャッチすると、交感神経が優位に働いて体を環境の変化に合わせようとします。健康な人ならその次に副交感神経が働いて、体の状態のバランスを保とうとするでしょう。

 しかし睡眠不足やストレス・疲労などで体調に問題があったり、もともと内耳の機能が敏感だったりする人は、気圧の変化をきっかけに自律神経のバランスが崩れやすくなります。

 それによって交感神経が優位な状態が続くと、痛みを感じる神経が強く刺激されて頭痛や神経痛を引き起こしたり、逆に副交感神経が優位に立ちすぎると、眠気やだるさが現れたりするのです。

気圧予防には「耳の後ろ」を刺激

 気圧の変化による体調不良を予防するツボがあります。

 はり師・あん摩マッサージ師の森田遼介さんがおすすめするのは、耳たぶの後ろのくぼみにある「翳風」。

 首にはたくさんの神経が走っているため、強く押すのではなく、気圧の変化による体調不良を予防するツボ「翳風」をホットタオルやドライヤー、市販のお灸で温めればOKです。

 気圧の大きな変化が起きる前に、「翳風」を温めてみましょう。

腹式呼吸も気圧対策に最適

 気圧の変化を乗り切るには、腹式呼吸を取り入れるのもおすすめ。

 まずあおむけに寝て両足を骨盤の幅に開き、膝を立てましょう。

 その姿勢で鼻から息を吸いながらおなかをふくらませ、「は?」と口から息を全て吐き出しおなかをへこませます。息はしっかり吐き切るよう心がけましょう。

 これを10回1セットで、2セットすると気分もスッキリ。

 吐き切るとおなかのインナーマッスルが内臓の働きを正常に戻し、自律神経が整いやすくなります。

『月間100万人利用アプリ! 頭痛ーるが贈る しんどい低気圧とのつきあいかた』より一部抜粋・再構成。

〈取材協力・監修〉
舟久保恵美:気象病研究者、医学博士
慶應義塾大学医学部神経内科非常勤講師。内田洋行健康保険組合保健師。日本で唯一、低気圧頭痛を専門にする産業保健師。

森田遼介:はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、TC鍼灸マッサージ院院長
埼玉県を中心に往診治療を行う。自律神経の調整を得意とし、根本治療に特化した施術で人気。 脳梗塞リハビリセンターでは鍼灸も活用したボティケアを提案している。NHK「あさイチ」などのメディアにも出演。

デイリー新潮編集部

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