90歳になった東海林のり子さん 4000件以上の事件取材で、最も印象に残っているものは

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「誇りと自信を持ってやっています」

 事件現場ってあまりみんな行きたがらないんです。ただ、私の場合、人に任せたくない。やっているうちに、だんだん競争心も芽生えてきますしね。視聴率も朝の番組なのに、8%くらいいった時もありました。「負けたくない」という思いが、数字に表れていたんだと思っています。

 ただ、世間からは「ワイドショーは低俗」と言われることもありました。どこかの週刊誌の女性記者がインタビューに来た時に、「毎日毎日、事件の取材をして、お子さんは嫌がりませんか」と言ってきたんです。

 私は「あなた、子ども たちが嫌がったら、私はやりませんよ。それだけ、誇りと自信を持ってやっています」と答えました。

 2人の子どもは私の仕事について、これまで何か言ってきたことはありません。朝方帰ってきたと思ったら、すぐにまた出て行って……。それでも、「ママ、何やっているの?」と聞いてきたこともありません。

 こういう人なんだ、こういう親なんだと思っているのでしょう。もしかしたら、学校で「お前のお母さんは……」と言われていたかもしれませんが、そういうことは一切言いませんでした。命懸けでやっていたことが伝わって、もう宿命だと思って受け入れていたのかもしれません。

デイリー新潮編集部

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