記者をリングでフルボッコにした傷害事件も…2度目の薬物逮捕「エンセン井上」の悪すぎた素行

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「薬物はやめてください!」

 埼玉県警は23日、元総合格闘家のエンセン井上ことイノウエ・エンセン・ショウジ容疑者(57)を今年4月、麻薬および向精神薬取締法(輸入)違反で逮捕していたことを発表した。

 現地時間の4月18日、米国の郵便局から、麻薬であるサイロシビンおよびサイロシンを含有したチョコレートバーを封入した国際小包郵便物1個を自宅宛てに発送。同24日に成田国際空港に到着させて日本国内に持ち込んだ疑い。

 井上容疑者が薬物事件で逮捕されたのはこれで2回目になる。2008年10月にも、都内で大麻16.9グラムを所持していたとして大麻取締法違反で現行犯逮捕され、同12月に懲役10月、執行猶予3年の判決が言い渡されていた。

「リング上だけでなく、普段の生活でも感情の起伏が激しいことから、1回目の逮捕前から『(薬物を)やってるんじゃないの?』と、業界内ではうわさになっていました。逮捕後は、関係者は距離を置くようになっていたのですが、最近は大相撲から総合格闘家に転身したスダリオ剛(元十両・貴ノ富士)が彼に弟子入り。そのため、格闘技イベント『RIZIN』にセコンドとして姿を見せたり、1分1Rの戦いで若い世代にも人気の格闘技イベント『BREAKING DOWN』のオーディション動画に登場したりしていました。若い格闘家からは『あの人、強かったですか?』と言われるほど、すっかり過去の人です」(格闘技業界関係者)

 井上容疑者は今月16日、自身のX(旧ツイッター)に《私たちが住んでいる世界は狂っています。薬物はやめてください!》と投稿していた。開いた口がふさがらない。

最強格闘家だった

 格闘家として活躍していた時から「大和魂」をウリにしていた井上容疑者だが、もともと、ハワイ・ホノルル出身の日系人。タレントのKONISHIKI(元大関・小錦、60)は高校の先輩でいまだに親交がある。地元ではブラジリアン柔術を習っていたものの、ラケットボールの選手として来日したが、その彼を格闘界にスカウトしたのは、あのプロレス界の元スーパースターだった。

「初代タイガーマスクとして活躍した佐山聡氏です。井上容疑者は当時、178センチ80キロ代でしたが、現在のような体に入れたタトゥーは目立たず、端正なルックスでした。佐山氏が自ら創設した格闘技・修斗でデビューさせると連勝を重ね、たちまち日本人のヘビー級選手のエースに成長したのです。徐々に筋肉で体重を増やし、タトゥーも増えていきました。激しい試合でファンを熱狂させ、ある試合で勝った後には、『エンセン、もっと野蛮人になるよ!』と高らかに宣言していた姿が印象に残っています」(格闘技担当記者)

 格闘家として絶頂を迎えたのは1998年10月25日に千葉・東京ベイNKホールで行われた格闘技イベント「VALE TUDO JAPAN ’98」における米国の格闘家、ランディ・クートゥア(60)との1戦だろう。

 クートゥアは後に、世界最高峰の格闘技団体と言われる米UFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)でヘビー級とライトヘビー級の2階級王者を戴冠。06年にはUFC殿堂入りを果たしているほどのレジェンドファイターだが、引退後、俳優としてハリウッドスター、シルヴェスター・スタローン(77)主演の映画「エクスペンダブル」シリーズなどに出演している。そんな男にエンセンは1R1分39秒、得意の寝技に持ち込み、腕ひしぎ十字固めで一本勝ちしたのだ。

 しかし、これ以後、格闘家としては下り坂に。

「当時人気だった格闘技イベントPRIDEにも参戦しましたが初戦の日本人選手に勝っただけで強豪外国人選手に4連敗。2000年12月23日の『PRIDE.12』で惨敗後、突然、引退宣言してしまったのです。体力も気力も限界だったようです」(同)

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