「党内で“総理の器でない”の声も」 静岡県知事選の応援で失言の上川外相の正念場

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県知事選は接戦で…

 もっとも、上川氏が火消しに躍起になったのには事情がある。

「静岡県知事選は当初、野党が推薦する鈴木康友前浜松市長(66)が、自民党推薦の大村慎一元静岡県副知事(60)を15ポイントほど引き離していました。しかし、最新の情勢調査では10ポイント以内までその差が縮まっています。自民党推薦の候補者が知事選で勝利する可能性が出てきているのです。上川氏は自身の発言で、大村候補の足を引っ張りたくないと考えたのでしょう」(前出・政治部デスク)

 この点、政治ジャーナリストの青山和弘氏は、

「上川さんは演説が得意ではなくて、これまで誰かの応援演説に呼ばれることはほとんどありませんでした。次の自民党総裁は“選挙で勝てる顔に”というのは衆目の一致するところ。大村候補の勝利に貢献できるかどうかは、彼女自身の評価にも多大な影響を与えることになります」

“総理の器ではない”の声も

 青山氏は、「メディアに切り取られるような不用意な発言は避けるべきだった」とも指摘して、こう続ける。

「麻生太郎副総裁はいまだに、岸田文雄総理続投で道筋ができるなら基本的に構わないと考えているようです。一方、上川さんは麻生副総裁に推される以外に、総理になる展望はありません。また、彼女については“総理の器ではない”との声も党内から上がり始めている。そうした声をかき消すためにも、静岡県知事選で結果を出すことが求められています」

 26日の投開票日が、彼女の未来を占う運命の一日となりそうなのだ。

週刊新潮 2024年5月30日号掲載

ワイド特集「今そこにある危機」より

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