配球に工夫がない、「イップス説」も流れて…大城卓三捕手は弱点を克服できるか

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捕手としての自信を取り戻せるか

「阿部監督は開幕カードの阪神戦で、走者を出した試合の中盤や、勝負どころでベンチから配球サインを出しました。阪神の打者に対し、どの球種を投げれば、どの方向に打球が行くのか、確率を示したデータをiPadで事前に確認していました。打たれたら、サインを出した監督の責任だと伝えることで、バッテリーを安心させたかったようです」(前出・球団関係者)

 ライバル球団のスコアラーによれば、阿部監督に代わってから、巨人バッテリーの配球が強気になったという。

「変化球でかわすよりも、直球で押す場面が増えた感がします。特に小林がスタメンマスクをかぶる試合でその傾向が強い。阿部監督の好む勝負の仕方だと思います」(スコアラー)

 大城の二軍降格の原因は配球面での失敗だけではないという声もある。4月2日の中日戦だった。大城は二度、送りバントを失敗している。とくに同点で迎えた延長11回の失敗は大きく、その裏の中日の攻撃でサヨナラ負けを喫した後、阿部監督は「野球の神様が怒ったな」と厳しい表情を見せていた。翌日以降、大城は試合前練習でバントの練習にも時間を割くようになったが、その様子を見て、「イップスじゃないか?」の声も出始めた。動きがぎこちなかったそうだ。

 大城は昨季、犠打21個を記録している。リーグトップの数値だが、1試合で二度も失敗してしまった。得点好機を潰し、チームが負けたことで必要以上に思いつめてしまったのかもしれない。大城自らがゴーサインを出したときが「一軍復帰」となる。捕手としての自信を取り戻さなければ、配球も弱気なままで終わってしまう。それまでに新たな捕手が定着するのか。

デイリー新潮編集部

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