根尾昂は今すぐ「ショートに戻してください」と直訴したほうがいい…迷走する中日“育成方針”にプロ野球OBが異論

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ピントがずれている中日

 見出しにあるように、この記事では根尾の頻繁なポジション変更に憂慮が示されていた。

「根尾くんのポジションが変更されたことに関し、私は詳しいいきさつを知りません。ただ、中日の首脳陣は根尾くんを『野手としては失格』と判断し、投手に転向させたという印象があります。しかしショートとしての練習も不充分で、実践経験も積んでいないのに、どうして失格と判断したのか理解しがたいと思っています」(同・広澤氏)

 先にショートの難易度について触れたが、もし根尾が猛練習でショートの技倆を向上させると、それだけでスタメン入りが見えてくる。キャッチャーとショートは「多少は打てなくても許される」2大ポジションだからだ。

「投手への転向も問題です。大谷翔平くんは日本ハムに入団した時から、ピッチャーとバッターの練習を積み重ねてきました。ところが根尾くんは一度、野手に専念したわけです。そんな彼がプロ人生の途中で再び投球の練習を再開しても、プロの世界で通用するピッチャーに成長できるとは思えません。はっきり言って、中日の育成方針はピントがずれているのではないでしょうか」(同・広澤氏)

現役ドラフト

 ちなみに、2018年10月に行われたドラフト会議では、日ハム、巨人、ヤクルト、そして中日が根尾を1位指名した。もし中日ではなく、他の3球団に入っていたら、彼はどんな選手になっていただろうか──?

「私も根尾くんはかわいそうだと思います。中日に問いただしたいのは、彼をドラフトで1位指名した時、どんな育成プランを描いていたのかということです。ここまで迷走してしまったのは、最初のプランに問題があったのではないでしょうか。根尾くんは明日にでも首脳陣に直訴してショート転向を直訴し、打者としてのフィジカルトレーニングを始めるべきだと思います。それが聞き入れてもらえなかったら現役ドラフトに期待するしかありません。ただし、選手の生殺与奪を握っているのは球団です。中日が根尾くんは他球団に出さないと決めれば、それに従うしかありません」(同・広澤氏)

註:特別記者・植村徹也氏の署名原稿で、2022年6月17日の大阪版夕刊に掲載された。

デイリー新潮編集部

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