軍国主義の元凶「参謀本部」の廃止を唱えた直言居士がたどった末路

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 日本銀行総裁や総理大臣を歴任した財政家・高橋是清(1853~1936)は、国の財政の4割をも占める軍事費の増大に悩まされた。予算を要求する軍部のよりどころとなったのが、参謀本部が主張する「統帥権の干犯」。天皇の軍事統帥権は天皇本人と参謀本部以外、誰も犯すことができないというものだが、彼らは気に食わないことが起こると、この伝家の宝刀を振り回して、歴代の内閣を不安定なものにし、ときには内閣を崩壊させした。

 作家で金融史の専門家・板谷敏彦さんの新刊『国家の命運は金融にあり 高橋是清の生涯(下)』(新潮社)では、その専横をただすため、是清が勇気ある「参謀本部廃止論」を提案する様子が描かれている。...

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