御社の動画はどうしてバズらないのか? 「令和の虎」社長が明かす“100万回再生”動画に共通する「3つのキーワード」
「原点に立ち返ることが大切」
では、動画を作る際に意識すべきことは何か?
「顧客がほしい=お金儲けという発想に陥りがちです。そうではなく、自分がやっていることは、誰のために、何のためにやっているのか。原点に立ち返ることが大切です」
そのために必要な視点が、「共感」「あこがれ」「問題解決」を意識することだと話す。
「数えきれないほどの動画を手掛けてきましたが、この3つの要素のいずれかを含む動画はバズりやすい」
具体的な例を挙げて説明する。Suneightが手掛ける動画の一つが、YouTubeチャンネル「ストレッチトレーナー/理学療法士 兼子ただしch」だ。タイトルが示す通り、兼子ただしさんの本職は、ストレッチトレーナー、理学療法士である。もともと「ストレッチトレーナー/理学療法士 兼子ただしch」は、座学を中心としたスポーツストレッチ系の動画だったが、数字が伸びず苦戦をしいられた。そのテコ入れを施したのが、竹内さんだった。
「兼子さんのキャラは、当時から個性的で面白く、人を魅了する話術も兼ね備えていました。しかし、動画にアクセスした人は、肩こりや腰痛などに悩まされ、藁にもすがる思いで訪れたかもしれない。それにもかかわらず座学が始まれば、離脱してしまっても不思議ではない」
そこで竹内さんは、兼子さんが元来持っているキャラをいかしながら、「ユーザー参加型の企画」を提案する。端的にいえば、本当に苦しんでいる相談者と兼子さんが対峙し、その場で施術。百聞は一見に如かず、論より証拠。劇的に改善する相談者の喜怒哀楽が伝わるような動画にシフトチェンジしたのだ。
「相談者が打ち明ける痛みや思いは“共感”となり、実際に施術をして改善する様子は“問題解決”を示します。そして、痛みが緩和される相談者の姿は、視聴者にとって“あこがれ”に映る」
テコ入れ前のチャンネル登録者数は2774人(2020年1月15日時点)だったが、現在、登録者数は約22.9万人(2024年4月時点)まで上昇。100万再生超えの動画を多数記録しており、スポーツストレッチ系の動画の中でも、屈指の知名度を誇る存在となった。
「現在、兼子さんが運営するストレッチ専門スタジオは、予約が殺到する状況になっています。兼子さんが監修する商品も飛ぶように売れていて、まさに知名度の効果です」
次ページ:財布の紐を緩めるというのは、すなわち人の心を動かすということ
[2/3ページ]