「コロナ対策システムで50億円の血税をドブに」 韓国、中国にも完敗の日本は「デジタル・バカ」

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1割の人が皮膚にマイクロチップを埋めているスウェーデン

「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」とは、いろいろな情報やサービスをインターネットを通じていち早く利用者に届け、多くの人がその恩恵を受けられるような情報ネットワークのシステムを構築すること。国主導で個人情報を使い、行政も個人も企業も活発に活動ができる情報の高速道路のようなものです。

 例えば、1枚のカードが身分証にも保険証にも運転免許証にもなり、さまざまな給付やサービスがすぐに受けられ、買い物から飛行機の予約、家の施錠もすべてカード1枚でできれば、「便利だ」と思う方は多いでしょう。

 それを実現させるのが「DX」で、成功しているスウェーデンでは、現金がなくてもカード1枚で、買い物したり、電車に乗ったり、コンサートを見たりと、あらゆることができます。しかも、カードどころか約1割の人は皮膚に米粒くらいのマイクロチップを埋め込み、カードレスで便利なサービスを受けています。

 日本も、こうした国を目指し17年に「DX」を成長戦略の柱としています。

 実は、スウェーデンも本格的に「DX」宣言をしたのは日本と同じ17年。

日本とスウェーデンの違い

 ただ、日本と大きく違ったのは、すでに2000年ごろから「DX」に欠かせない高速ブロードバンド接続環境づくりに着手し、25年には人口の98%が自宅や職場で1ギガビット/秒(Gbps)の高速ブロードバンド接続を達成するという目標を掲げ、着々と準備してきたこと。

 いっぽう日本は、スウェーデンが高速ブロードバンドの環境整備に取り組み始めたのと同じ頃に、「ネットの時代」と大騒ぎして「インターネット博覧会(インパク)」を開催しました。開会式は、沖縄から20世紀最後の日没を放映し、兵庫ではカウントダウン花火大会を開くなど、このお祭り騒ぎになんと110億円の血税を使いました。ところが、国民のほとんどがこのイベントを知らなかったのは、自宅のパソコンから大容量通信のブロードバンド回線にアクセスできる人が当時はごく少数に限られていたから。

 結果、見る人もなく大失敗で、日本のデジタルの「黒歴史」としてサイトも削除されました。

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