「コロナ対策システムで50億円の血税をドブに」 韓国、中国にも完敗の日本は「デジタル・バカ」

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今度は「マイナ保険証地獄」

 23年5月、新型コロナが「2類相当」から「5類」となり、「ハーシス地獄」から解放された医者を、今度は「マイナ保険証地獄」が襲いました。

 政府は、任意である「マイナンバーカード」をみんなに持たせるため、24年12月までに「保険証」を廃止して「マイナ保険証」に一本化することを法制化しました。

 これがなぜ「マイナ保険証地獄」になるのかといえば、「保険証」が廃止されると、病院の窓口は、膨大なカードや書類に対応しなくてはならなくなるからです。

 ざっと今分かっているものだけでも、「マイナ保険証」、「暗証番号のないマイナ保険証」、マイナ保険証が使えない場合の「被保険者資格申立書」、マイナ保険証を持っていない人の「資格確認書」、システム未整備の場合などに対応する「資格情報のお知らせ」、さらに1年間は既存の「保険証」も受け付けるので、全部で6種類のカードや書類に対応せざるを得なくなる。立憲民主党の試算では、「マイナ保険証」を持たない人に「資格確認書」を発行するだけでも、取得割合が現状維持の場合毎年5億5000万円の負担増になるとのことです。

1000件以上の医療機関が廃業を決定

 1枚の「保険証」を月に1回病院の窓口に出すだけで何の問題もなくスムーズな診療ができるのに、それを廃止して、なぜ膨大なカードや書類に対応しなくてはならないのか。しかも、高齢な医師の中には、デジタル対応できない方もおり、1000件以上の医療機関が廃業を決めました(全国保険医団体連合会調べ)。

 さらに、「マイナ保険証」の取扱義務化に反対する医師ら1415人(23年12月時点)が、国を相手取って訴訟を起こしています。

 患者も、今までは「保険証」だけで、誰でも、いつでも、どこででも適切な治療が受けられたのに、「保険証」が廃止されると、毎回、前述のような書類やカードの提出を求められます。

 しかも、「保険証」なら、更新の時期を忘れていても自動的に手元に送ってきてもらえますが、「マイナ保険証」は、搭載されている「利用者証明用電子証明書」を、最低でも5年に1度は自治体の窓口で更新しなくてはならない。足腰が立たなくなった時、あるいは認知症になった時にはどうすればいいのか、混乱は必至です。

省庁職員にも利用されず

「マイナ保険証」は、とにかく不便。昨年4月に6.30%だった利用率は8カ月連続で下がりつづけ、なんと12月には4.29%まで落ちました。しかも、国民だけでなく、総務省の職員の利用率(昨年11月)は6.26%、内閣府や農林水産省など4省庁は5%台、厚生労働省が4.88%、文部科学省や法務省が4%台、外務省が3.77%、防衛省が2.50%。河野太郎・デジタル大臣は、「すべての国家公務員が身分証として使うことをすでに決めていますので、民間にもぜひぜひ、どんどん活用してもらいたいと思っている」と述べていますが、その言葉とは程遠い状況になっています。

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